先端

 尖端が怖いんだ、

 視界に入るだけで、

 ドキッとしてしまう。


 コンパスの針の先を見てると、

 これが目に刺さった所を想像して、

 悶絶してしまうんだ。


 黒板を爪で引っ掻く音を、

 聞いた時みたいだよ。


 部屋の中の尖った部分には、

 全部カバーを被せてある。

 そうしてると安心出来るんだ。


 でもカバーを被せられないものが、

 一つあるんだ。


 私のこの尖った心に、

 カバーは被せられないんだよ。

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