四 エロジジイは不治の病
その一年後。
私の仕事場の隣で火災が発生した。野次馬の一人としてエロジジイが来ていたので、これまでの深夜の電話や、断る私の妻の由美を無理に車に乗せた事となど話し、今度、同じ事をしたら、いつでも家にのりこみ、かつ、役所に勤めている息子に掛け合うぞ、と言った。これぞ、凄まじい祈りだ。
エロジジイは火事場からソソクサと消えた。その行動は自身のセクハラ行為を認めた結果だった。
その後。
エロジジイは私たちを見かけると、私たちの視界からソソクサと逃げさった。
そして近所の住民から、エロジジイが過去にもセクハラ電話したり、民家に忍び込んで夜這い的行動をした挙句、家人に見つかって二階から飛び降りて怪我し、外科病院に通院した過去があったのを知った。
最初の嫌がらせから、九年が過ぎた頃、遠目にもエロジジイの姿を見なくなった。
同じように嫌がらせを受けた近所の人が、
「エロジジイは不治の病で助からない」
と言った。
そして半年もたたぬうちにエロジジイは死んだ。
私はエロジジイの病名が
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