第2話 高嶺の花
どうも、あれから進化を繰り返した元双葉です。睡眠のおかげで経験値の上昇率がおかしすぎた結果、これから進化ラッシュで能力大量確保かなと思っていました。
だけどそこまで美味く物事を進まなかった。草ゾーンが終了しそうなのである。
睡眠草から次の進化の項目を見て、俺は悩みに悩み続ける。
永眠花
魅了花
長寿花
おそらく永眠は睡眠の上位互換か、毒で永眠させるという意味だろう。そして魅了花がモンスターを魅了する素材でも取れて、長寿はそのまま長生きにでも良い素材が取れるのだろう。
しかしこの何もせず経験値を稼ぐ方に行くか、そろそろ祈るのではなく身を守る選択を取るべきなのか。もし後者ならば魅了花一択になってしまう。
だがこの効率底上げできそうな永眠花も捨てがたい、だがこれが毒的な意味の永眠な可能性もある訳で、これが俺の悩みの種となっていた。もうすぐ花だけど。
てことで数十分悩んだ結果、俺は無心で祈るためにも身を守るすべを得るために魅了花を選択する。
もし永眠が毒だった場合、あの空を飛んでいた竜に早めに処理しておこうとか思われたら終わりだからと言うのが決め手になった。
という事でいつも通り意識を失ってから目が覚めると、日本に生きてきた時に見てた花の中でも見入ってしまうくらい美しい花になっていた。
そしてドキドキワクワクな能力確認タイム。
魅了花(0/2000)
超成長 Lv.21
光合成 Lv.21
睡眠 Lv.-
魅了 Lv.1
周囲に魅了させる花粉を撒く(1)
新しい能力はレベルの概念があるようで、最後の1はよくわからない。だがこれでとりあえず、小動物くらいからは身を守る術が手に入ったのは良かった。
という事でそれを試す機会も何もないので、俺は再び無心になって経験値を稼ぐのであった。
そうして次の進化、なんとなく能力にレベルが存在していたことで予想できていたが、魅了花の底上げタイムが開始された。
要するに次の進化項目に魅了花②と表示されたのである。ここから長い戦いになる事を覚悟しながら、俺は意識を途絶えさせようとした次の瞬間。目の前になんか小さな狐が現れ俺のことを見ていた。
確かに周囲にこんな美しい花は生えていないし、というか影というか音すら聞こえなかった。
竜すら飛んでいる森林の狐が普通な訳はないので、俺はすぐさま魅了の花粉を撒いた。
どうだ…効くか?
どうやら良い匂いなのか花粉をたくさん吸い込もうとしている。しかし目や表情に揺らぎがないのを見ると、魅了が成功しているようには見えなかった。
俺は狐が花粉の香りで気を引けている今、進化を開始するように念じた。
そして意識を失ってから目が覚めると狐は花粉を吸いつくしてしまったようで不審な目で見つめているので、俺は急いで新しい能力を確認した。
魅了花②(0/3000)
超成長 Lv.21
光合成 Lv.21
睡眠 Lv.-
魅了 Lv.2
周囲に魅了させる花粉を撒く(2)
花粉の濃度を高める(2)
とりあえずすぐにでも狐の鼻の近くの花粉の濃度を高めように思いっきり念じる。
ここが正念場だ、こんなとこで死んでたまるか…!!
そうして狐は再び現れた、先ほどよりも甘い匂いに夢中になって吸い込み続け、段々と目がとろんとしてきた。
そしてそれから1分もしない内にお腹を上に寝転びながら可愛らしい声で鳴いた。
魅了できたって事で良いんだよな…?
多分敵意がないという表現なのか、これまでの謝罪なのだろうか。どちらにせよ身の危険はこれで無くなったようだ。
しかしもし進化が遅れていたら、もし狐が俺に興味を抱いていなかったらと想像すると本当に危なかった。
俺はそれから無害となった狐を横に侍らせ、無心になって経験値を貯めつつ、適度に魅了の花粉を与えていた。
睡眠の効率は下がったが、少しだけ身の危険を守れていると言うのはやっと生きた心地がして素晴らしい。
それからは特に何事もなく、俺はいつも通り経験値を貯めきり、進化を繰り返すのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます