転生したら双葉でした 〜生き残るために進化してたら、森の支配者になっていた〜
@sup1857
第1話 芽吹く双葉
トラックに轢かれたとこまでは覚えてる。
助からないぐらいの傷を負ったことも。
だからこんな姿になってる要因はひとつしかないよね。
転生したら双葉でしたってことだよね?
いや無理無理、明らかにヤバい雰囲気の森だし!こんなん異世界ならモンスター、なんなら小動物に踏まれただけで終わりだよ?
前世そこそこ真っ当に生きてたよ?
しかしこのまま悩んでいても死ぬだけだし、よくあるテンプレをやるしかない。
"ステータスオープン"
もちろん話す事もできないので、心で念じてみると想像よりもシンプルな半透明な画面が現れた。
双葉 0/20
超成長 Lv.1
光合成 Lv.1
はい終わりです。え?
とりあえず転生特典みたいなのが超成長で、双葉本来の力が光合成なのだろう。
しかしこれだけだと何も理解できないので、今度は詳しく見ると念じてみる。
すると今度は二つの説明欄が現れた。
超成長 Lv.2
成長補正 2倍
光合成 Lv.2
経験値 +2/1日
必要な栄養を満たす
絶対、設計者がいるならミニマリストだ。
だけどおそらく、この成長補正というのが、獲得する経験値を底上げしてくれる。そして光合成は1日生き残ったら経験値が溜まるって事なのだろう。
そして名前の横の数字が経験値で、これが10溜まれば進化できるとしたら、単純計算5日もビクビクしながら暮らさないといけない事になる。
絶対嫌すぎる!!!
と思っても、ただの双葉に何かできるわけもなく、5日の月日が流れた。それまでの間、ひとつだけ大きな事件が起きていた。
なんとか5日も耐えれた。だけどアレはやばかった本当に。
瞳などついていないはずだが視線は動かせたので、上を見上げて葉と葉の隙間から空を見上げて時間を潰していると、超巨大な竜が空を飛んでいたのである。
異世界決定だこら。
平和で安全な双葉ライフを送るためにも、成長したらアイツを倒せるのだろうか。何年後なのだろうか!!!
まぁ絶望感は凄いが、だからって自殺などしたくないので俺はもう一度ステータスオープンと唱える。
すると5日前とは違って名前の横の数値が20/20となり、進化項目が現れていた。
三葉
はいこれ長いヤツですね!てことですぐ進化すると念じてみると急に意識を失い、目が覚めると葉がひとつだけ増えていた。
何か力でもついたのかと見てみると、超成長と光合成のレベルが上がっている。
三葉(0/30)
超成長 Lv.3
成長補正 3倍
光合成 Lv.3
経験値 +3/1日
必要な栄養を満たす
ひとつ想像と違ったのが、超成長までレベルが上がった点である。これで必要経験値は10上がったが、次の進化まで4日で済む。
そしてこの流れならば、その次の進化は3日で終わるし、その次の進化はたったの2日だ。
こう進化するタイプのゲームは上がるほどに難しくなるはずだが、何故か簡単になっていくシステムらしい。全ては超成長がバランスブレーカーなだけではあるが。
そうとわかれば日々の憂鬱も減少し、俺は日数を数える事もやめて、適当にステータスを見ては進化させて、残りは無心で祈り続けるのであった。
そうして何日経ったかもわからないある日、十九葉で経験値が溜まった時に、進化の項目に変化が現れた。
毒草
睡眠草
癒草
おそらくこの進化によって、手に入る能力が変わっていくのだろう。毒か睡眠を選べば身の安産は確保できるし、癒だったら将来強くなった時に「いくら攻撃しても回復しやがる!!」なんて事ができるかもしれない。
しかしそんな余裕があるような森ではない事は、上空を飛んでいた竜で十分わかっている。
なので俺は毒か睡眠で悩み、毒にすると毒が主食なモンスターに襲われる可能性や、周りの森林が腐食して目立つ可能性も考慮して睡眠草にした。
そしていつも通り意識が途絶え、目が覚めると薄青色の睡眠草になっていた。
さて、お待ちかねのステータス画面である!
睡眠草 0/1000
超成長 Lv.20
光合成 Lv.20
睡眠 Lv.-
経験値 +10(200)/1h(無心時間)
あぁ敵を眠らせるとかそういう感じじゃないんだ。でもいつもは進化確認以外無心で平和の祈りを捧げているのもあって、これはかなり…というか世界が変わるくらい効率上がる。
という事で俺はすぐにでも無心で平和を祈って、なんとなく頭が覚めてきた時間で経験値を見る。
するとすでに1000の経験値が溜まっており、次の進化項目が現れていた。早すぎだろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます