第11彼女そしてすれ違い
夏休みもそろそろ終わろうとしていた時の事だった。
さとるはこの日は朝からバイトに行って昼帰って来て家でごろごろする予定だった。
昼に帰ってきたら、楓がまた遊びに来ていた。
夏休みで暇だったから来たらしい。
なんやらりのに相談していた。
「それでさ。夏休み終わったら教えてくれって言うんだよそいつ。私そいつの事全然知らないのに。」楓は少し怒っていた。
「こないだ言ってた子?」りのは楓に聞いた。
「そうそう。バスケ部のキャプテンで周りの子には人気あるみたいで、でも私興味ないから困ってるんだよね。」楓がりのに相談しているのを、聞き耳を立ててさとるが聞いた。
「どうかしたのか。」
「楓ちゃん告られたんだって。」りのがさとるに言った。
「よかったじゃん。」さとるは楓に言った。
「よくないよ。興味ないし周りから変にみられるし。どうしたらいいかなお兄ちゃん。」
楓はいつも以上に困っていそうだった。
さとるは困った。
「そうだ。お兄ちゃんが彼氏役して誤魔化せばいいと思う。」りのの提案にさとるはなんとなく嫌な予感がした。
「嫌だよ。」さとるは断った。
楓からも頼まれて、最初は断っていたが、押しに弱いさとるはやることにした。
「1回だけだぞ。」そう言うと楓は嬉しそうにありがとうと言った。
バイトの休みの日。
その子の家に行った。その子の家は楓のすぐ近くで家がでかいで有名だった。
2人でその子の家に行った。
インターホンを押す。ピンポン。
その子の親が出てきた。
「どちらさまですか。」
楓は家にきた経緯をその子の母親に行った。
すると母親がその子を2階の部屋から呼んできた。
「あ、楓ちゃんじゃん。もう返事くれるんだ。速いね。」
さとるが見た感じの第一印象はそんなに悪い子ではないと思った。
さとるは自分が楓の彼氏だと嘘をついた。
「嘘だ。」最初は信用しなかったが、嘘の出会いのきっかけを話すと段々信憑性が出てきたのか信じるようになった。
その子は振られて泣いていたが、楓は興味なさそうにその子の家から帰っていった。
さとるはこんな強気な性格なんだから最初から普通に振ればよかったんじゃないかと思った。
一応解決したみたいだった。
それで解決すると思っていた。
楓がまた遊びに来てさとると二人で歩いていると楓がお礼を言ってきた。
「彼氏になってくれてありがとう。ちょっと変な噂流れたけど地元の高校行かないしいいわ。」
強い奴だなとさとるは思った。
さとるは気づいていなかった。後ろにもながいたことに。
もなは楓とさとるに声をかけようとしたが、その会話を聞いて声をかけれなかった。
エレベータにも、遅れて乗った。
もなはさっき聞いたことを本当だと思い、その日を境にさとると距離を置くようになった。
学校でさとるがもなに声をかけた。
「風紀委員の仕事か。資料半分持つよ。」
「いいよ別しなくても。そう言って逃げるように生徒会室に帰っていった。
なんか最近冷たいな。と思うさとるだった。
さとるはりのに相談した。
「最近もな様子違くね。なんか冷たいと言うか。」さとるがそういうとりのはさとるに言った。
「さとるがなんか喧嘩になるような事いったんじゃないの?」
「言ってないよ。」さとるは否定した。
「じゃあ知らない。2人の問題でしょ。自分で解決しなさい。」そう言ってりのは部活の昼練に向かった。
この時のさとるはまだ気づいていなかった。
学校の授業を終え、さとるはバイトに向かった。
バイトの休憩中に大学生のバイトの先輩が声をかけてきた。
「可愛い子が2人お前お呼びだぞ。」
一瞬もなとりのが浮かんだ。
行ってみるとりのと楓だった。
「なんだ楓とりのか。」もながいなくて少し残念な顔をした。
「なんでそんな残念な顔なのよお兄ちゃん。」楓がさとるに言った。
「もなじゃないからだよ。」さとるは正直に言った。
「まだもなちゃんとか言って中途半端な関係続けてるんでしょ。」楓に痛いところを突かれたさとるは何も突っ込めなかった。
「でも最近様子変らしいのよね。私には普通だけど。」りのが楓に言った。
「そうなんだ。」楓は少し心配していた。
休憩が終わりさとるは厨房にに戻った。
帰り道自転車で帰っているとマンションに入っていくもなをさとるは見つけた。
自転車を駐輪場に止めて急いで向かったが、もういなかった。
心配してスマホでメッセージを送ったが、連絡が返ってこなかった。
次の日。学校に行くと、校門の前で挨拶をしていた。
声をかけようとしたが、目を合わせてくれなかった。
学校では、さとるともなが別れたとか変な噂がながれていたが、さとるは無視していた。
昼休憩中。
3年の教室にさとるは行った。
だが、もなは学校の雑用をしていていなかった。
そんな感じで2人の間に溝ができ始めた。
そんな時だった。
もなが帰り道車に轢かれた。
怪我の具合は、かすり傷程度だったがさとるはそれをその日の晩に知って、病院に向かうのだった。
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