第6話 彼氏。泊りデート

 とある休日。


「暇だ。」さとるがそういうと、りのが珍しくおしゃれをしながら返事をしてきた。


「うるさいよさとる。」


「そういうお前こそどうしたおしゃれして。」さとるがりのに言った


「今日はデートなの。」嬉しそうにりのはさとるに返事をした。

「誰とするんだ。」さとるがりのに言った。

「藤崎先輩だよ。」りのはさとるに言った。

 藤崎先輩とは、さとるも昔すこしだけ中学の陸上部でお世話になった2年の先輩だ。


 藤崎先輩はいい人だし、部活も学校の成績優秀で同じ学年の人にも人気だ。


 さとるはびっくりした。


「なによそのびっくりした顔は。私だってモテるんだから。」りのはさとるに言った


「そうか、そうか。まあ嫌われないように頑張れよ。」さとるはりのに適当に返事をした。


 りのは上機嫌でデートに行くのだった。


 りのと藤崎先輩は最寄りの駅で待ち合わせをした。


「お待たせしました。」りのが来るのが遅かったみたいだ。


「いいよ。いいよ。今来たところだしまあゆっくりしようよ。」りのに優しい言葉を藤崎がかけた。


 電車で近場の街に出かけた。


 街に出かけたらやることは決まってる。ショッピングや映画をみたいり流行のカフェにいったりとりのはどこから手を出していいか困った。普段は、もなやさとるとしか来ないからだ。

「どこ行きたい?」藤崎は、りのに言った。

「それじゃああそこの新しくできたショッピングモールみたいなところに行きましょう。」りのは答えた。


 そこはゲームセンターや日本初のお店がずらりと並んでいる5階建てのビルだった。


 藤崎も気になっていたらしい。


「じゃあ行こうか。」そういって2人はそのビルに入った。


 お店の中には、いろんな食べ物やいろんなファッションブランドの服やカバン、小物類が置いてあったりしてりのは藤崎先輩を無視して、夢中で見ていた。

 藤崎は普段の練習姿しか知らないからそんな夢中になるりのを可愛いと思った。


 付き合いも長いし、藤崎は告ろうと思ったが、最初はなんか違うなと思い、りのについて行った。


「この服どうですか。」りのが藤崎先輩に聞いた。


「相原さんなら明るい黄色とかのほうが合いそうだけど。」


 そういわれたのがうれしかったのか、りのは黄色の服を買った。


 ビルを散策している時、かわいい熊のキーホルダーを見つけた。


「これもなちゃんとお揃いでつけようかな。すいませんこれ2つください。」


 そう言って会計を済ませ、気づけば夜遅くなっていて藤崎先輩とりのは帰宅することにした。


 帰り道

「付き合ってください。」藤崎はりのに告白した。


「お願いします。その変わり私の時は浮気しないでくださいよ。」


 りのは藤崎と付き合うことになった。


 りのは真っ先にいつも仲のいい母親に言った。

「藤崎先輩と付き合うことになった。」


「そうなんだ。あの子なら安心していれるわ。」


 母親は安心していた。


 さとるはというと一応だが、高橋を心配した。



 案の定学校なんていう小さいスペースで広まらないわけがなく、高橋はショックを受けていた。


「大丈夫だよゆういち。私がいるよ。」

 。」


「お前がか。勘違いするなお前は幼馴染だ。俺ははりのちゃんが本気で好きだったんだ。」


 そんな感じで学校が終わるまで高橋が泣いていたのを山口が慰めていた。


 次の日学校に来ると高橋はさとるの席にやって来て一言言ってきた。


「俺は今日りのちゃんを諦める。そして、新しい恋を探すため部活を続けて藤崎先輩みたいに女子にキャーキャー言われたいから部活を頑張る。」


 下心満載だが、あれはあれであいつらしい復活の仕方だなとさとるは思った。


 たぶん、山口が話を聞いてくれてたんだろうな。それで新しい恋一緒に探してあげるとかいわれたんだろうなと思って、一安心した。


 1週間が経ち今度は俺の番だと思い嬉しかった。


 日曜日さとるともなは、いつも通りマンションの下で待ち合わせをして、出かけた。


「どこいきたい?」もながさとるに聞いた。


「そうだな遠くに行きたいな。」さとるはもなに返事をした。


「遠くか。じゃあ日帰りで今から温泉でも行く?」もなはさとるに言った。


 もなの日帰り温泉という言葉に誘われて、さとるはもなと2人でバスと電車2時間くらいのスーパー温泉に行くことにした。


「来たぞスーパー温泉。」さとるは店の前で叫んだ。

「子供ぽいからやめてよ。」もなは少し恥ずかしいそぶりを見せた。


 スーパー温泉にはいろんな温泉があった。いろんな温泉にはいる度に、さとるはテンション上がって子供のように盛り上がっていた。


「炭酸温泉だってさ。面白そう。入ろうぜ」


 もなはさとるについて行くのに必死だった。


「ちょっと待ってよ。」


 お互いスーパー銭湯では水着だったため、さとるは水着姿をみてちょっと嬉しくなっていた。

 はしゃいでるが、心の中では夏になる前に水着が見れてラッキーと思っていた。


 スーパー銭湯を帰ろうとした時だった。帰りのバスが人身事故で止まってしまった。


 夜遅いこともありお互い家に電話した。


「あ、母さん?さとるだけどちょっと帰れなくなった。今日はスーパー銭湯にとまることにするから。」すると電話越しにさとるに母親が言ってきた。


「二人だからって変なことしたらだめだからね。」


 俺をなんだとおもっているんだこの母親は。そう思いながら電話を切った。



 もなも電話を終えたところだった。


「部屋言って漫画でも読むか。」さとるはもなに言った。


「いいね。じゃあこの際新しい漫画あさってみようかな。」さとるはそう言ってもなと漫画の置いてある休憩室で休んでいた。


「あ、あのさ。夏休み近いから今度みんなで海行かない?ダメかな。」さとるがそういうともなは返事をした。


「いいよ。」

「いいのか。じゃあ今度2人で水着買いにいかないとな。」さとるは嬉しそうに言った。

「そうだね。」もなもさとるに嬉しそうに返事をした。

 そしたら次はもながさとるに相談した。

「そう言えばりのちゃん最近部活の成績伸びないで悩んでるらしい。たまには、応援言ってあげたら兄妹なんだし。」


「いいよそんなの最近彼氏できたみたいだし、大丈夫だろ。」

 さとるがそういうともなは彼氏ができたことにびっくりした。

「聞いてないよ。そんなの。」


「まあ言ってなかったからな。でも学校中にもう噂流れてるぞ。」さとるがそう言うともなはびっくりした。

「ほんとに。全然しらなかったよ。」


 もなはたまに知らないふりをしているんじゃないかと思うくらい噂話とかを知らない時がある。

 そのたびに天然だな。と思うさとるだった。


 朝。


 無事に事故も処理が終わり、朝ご飯を食べてもう1台あったバスで帰ることになった。


「楽しかったね旅行みたいで。」もなが嬉しそうに言った。


「それならよかった。俺に付き合ってくれてありがとう。」さとるがもなに言った。


 そんな会話をしてバスに乗った。


 バスは混んでいて大変だった。昨日の今日だから当たり前だが。


 そうして無事家についていつも通りマンションのエレベーターの4階で別れて家に帰るのだった。



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