第5話勉強会とデートそして上級生

 とある日曜日。

 高橋の家は住宅街にある一軒家だった。母親と父親と家族3人で暮らしている。


「ついたぁー。」りのが言った。


「うるさいぞ!少し早いけどインターホン押してみるか。」さとるがりのに少し怒りながら言った。


 インターホンを押すとすぐ高橋が出てきた。


「きたか相原兄妹。待ちくたびれたぞ。」高橋が玄関先でさとる達2人に言ってきた。


 そして、さとる達は高橋の家に入った。

「お邪魔します。」2人がそういうと、もう既に山口が来ていた。


「私がいなくても大丈夫そうじゃん。」りのがそういうと、高橋はなんのことだ?とりのに聞いてきた。

「何でもないよ。こっちの話。」

 そういうと高橋はちょっとに気になったのか不満そうに部屋に案内した。


 高橋の家には漫画がいっぱいあった。


 勉強の合間にさとるは高橋に漫画を借りて読んでた。


「さとる、ちゃんと勉強しなさいよ。あんたが1番成績悪いんだから。」

 りのがさとるに説教した。

 さとるは、言うことを聞いて勉強に戻った。


 1時間くらいすると、高橋の母親がおかしと飲み物を持ってきて来た。


 さとるたちはお礼をいい、勉強に集中した。


 気づけば昼の3時くらいだった。その時りのが動き出した。

「あ、教科書忘れた。」りのが高橋に言った。

「それなら家にあるし貸そうか。」高橋がりのに言った。

「いや、自分の教科書のほうが付箋とかしてて見やすいし今日は帰るわ。さとるもだよね。」りのがそう言うとさとるも言った。


「そ、そうなんだよ。ごめん帰るわ。」そう言ってさとるとりのは帰ることにした。


「ひなのちゃん頑張ってね。」りのは山口に小声でそう言ってさとると帰った。


 次の日の月曜日。


 さとるとりのが登校すると、りのの元に山口が寄って来た。


 どうやら、高橋と遊ぶ約束ができたらしい。


 それをりのに山口は嬉しそうに報告した。


 さとるはそれを見て、自分も頑張らないとな。と思った。


 テストが終わり、勉強を高橋の家でしたこともあり、さとるは珍しく補習をせずに済んだ。


 そして、さとるはテストの答案が返って来た週の日曜日にもなと遊びに行くのだった。


 いつも通りマンションの前で待ち合わせをした。

 先に待っていたのはもなだった。

「悪い遅くなった。」


「そんなことないよ。私も今来たところだし。」もながさとるに言った。


 さとるは遊びに行くだけなのにデートしてるみたいな気分になった。


 そして2人は電車で街に出た。

 街に出たもののどこに行くか二人は悩んでいた。

「どこ行こうか。」さとるがそういうともなは行きたいところがあると言ってきた。


「映画館。」


 さとるはオッケーして映画館に行くことになった。


 どうやら見たい映画があるらしい。


 それは世界的に有名なアニメーション会社のアニメ映画だった。


 さとるともなは一緒に映画を見に行った。


 その後、チェ―ン店の喫茶店で休憩して2人で喋っていた。


「ところでさ。もなは進路どうするの?」


「進路か。大学には行こうと思ってるよ。今日本って外国人に人気でしょ。だから観光案内とかやってみたいから外国語を詳しく学べる大学行けたらいいなぁって思ってる。」

「もなが観光案内か。それは安心できそうだ。夢があっていいな。俺なんてまだそんなこと考えられないよ。」


「高1だしあたりまえだよ?これからだよ。」そう言ってもなはさとるを励ました。


 さとるは励ましてもらえて嬉しかった。


 そんな会話をしていると、あっという間に時間が経っていた。


 さとるともなはマンションに帰った。


 いつも通りマンションのエレベーターの4階で別れた。


「また今度も遊びに行こうぜ。」

 さとるはもなに向かって何気なく言った。


 もなもそれを聞いて嬉しそうに返事をした。


「うん。」

 次の日。

 学校へ行くとさとるに高橋がしゃべりかけた。


「さとる。お前昨日も白石先輩とどっか行ったらしいな。部活の練習中にりのちゃんから聞いたぞ。」高橋がさとるに言った。


「お前こそどうなんだよ。山口と遊びに行くんだろ今度の日曜。」さとるが高橋に言った。


「ひなのはいいんだよ。ただの幼馴染だし。腐れ縁だよ。」高橋がさとるに言った。


「あんまりのけものにはするなよ。」さとるは高橋にそれだけ伝えて、席に着いた。


 高橋も妙に納得した。


 そして、学校も終わり。


 さとるは帰宅して、自主勉をしていた。


 余り勉強に集中できなかった。


 昨日の帰り道。また今度も遊びに行こうぜ。と言ったのがなんか恥ずかしくなったからである。


 勉強を辞めてスマホで流行りの動画をみて、自分を落ち着かせた。


 そんな事をしている間に家族がみんな帰って来た。


 夕ご飯を食べている時、母親に言われた。


「あんた最近もなちゃんとよく2人で遊びに行ってるらしいわね。りのから聞いたわよ。好きならさっさと告白ぐらいしなさいよ。」


 そんなこと言われなくてもわかっている。できるものなら今すぐにでもする。


 さとるは母親に心の中で俺の問題だから黙ってろと突っ込んでいた。


 そんな事母親に口に出して言っても勝てないと思ったからだ。


 そんなことで口喧嘩するつもりも最初からないが。


 だが、それもあるかもしれないと思った。もし、もしもだ、もなが俺以外のやつで好きな奴がいたらとさとるは考えた。

 そしてある決断をした。


 今年中に告ろうと。


 そして、だめなら諦めようと。


 そうすると、少し勇気が湧いてきた。


 そしてさとるはなんとなくもなにスマホでメッセージを送った。


 メッセージ 今度また遊ぼうと言ったけどそれ来週の土曜日にしないか。学校ないし。


 勢いで送ってしまって少し後悔したが、さとるはこれでいいと思った。


 すぐメッセージが返って来た。


 メッセージ ごめん来週の土日は入学説明会とホームページの写真撮影があるんだ。時間作れない。再来週ならいいよ。


 そのメッセージがきて少し残念だったが、再来週ならいいと聞いて安心した。


 すぐさまさとるはじゃあ再来週遊ぼうと連絡した。


 もちろんもなの返事はオッケーだった。


 次の日学校に行くと、さとるは上級生3人に校舎裏で絡まれた。


「お前白石といつも絡みすぎだろ。」


 明らかな逆恨みだ。

 さとるは言い返した。

「いいだろ。別にお前に関係あるのか。」


 そういうと上級生3人はさとるに喧嘩を仕掛けてきた。


 学校だし手を出すのはまずいと思い、さとるは手を出さなかった。


 勿論ぼこぼこだ。


 担任はびっくりしたが、誰にやられたかは黙っていた。


 俺は先生の言いつけでりのに無理やり保健室に連れていかれた。


 家に帰ると親もびっくりしていた。


 数日後もなは同級生に告られたらしい。多分この間の3人の誰かだろうとさとるは思った。


 もちろんもなは振ったらしい。当たり前だ。


 告白してきた奴自体あんまりいい噂を聞かなかったみたいだ。


 その後からはクラスの子たちがもなを助けてくれているらしい。


 何もないなら一安心だ。さとるはそう思うのだった。

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