第4話2人で買い物
さとるは今日友達の誘いを断って、もなの買い物に付き合っていた。
さとる自身もなの事が好きだから嫌な気持ちはしなかった。
もなの私服を久々に見て、さとるは内心少し興奮していた。
来ていた服はピンクのワンピースだった。
かわいい。正直にそう思って声に出そうになったが、こらえた。
「どうしたの?」
ぽつんとなったさとるをみてもなは質問した。
「何でもない。行こうか」
そう言ってさとるはもなと2人で街に出かけたのだったのだが。
街に出かけてさとる達は電車ですぐのショッピングモールで買い物をしていた。もなは新しい服とかが欲しかったらしい。
さとるは試着室で着た服を「どう?」と聞かれたがセンスがなくて適当に返事をしていた。
店を出て喋っていると後ろから2人の大学生くらいの人が寄って来た。
「姉ちゃんそんなやつと遊ばないでさ。俺達と遊ばない?」
明らかなナンパだった。それにしても堂々としすぎだろ。さとるは怖かったがもなの為に言い返した。
「誰だか知らないけどやめてもらえるかな」
「なんだと」
そう言って片方の大学生が殴りかかろうとしてきて喧嘩になった。
勿論力の差があって大学生に手をつかまれた。
捕まっているのをたまたま警備の人に見られてその大学生たちは逃げていった。
本当に運がよかった。警備の人がいなかったら何されるかわからないところだった。
さとる達は警備員の人にお礼を言って、買い物続けた。
いつもはリノがいるが、今日はいなかったからかなり緊張した。
本当は、りのも誘うつもりだった。
服のセンスとかないし。あと2人だと緊張する。
そんなことを思いながらぼーっとしていると、もなに言われた。
「疲れた?」
「そんなことないよ。楽しいし。」
さとるはすぐ返事をした。
「そうなんだ。ならいいけど」
もなはさとるを心配した。
そんな感じで買い物も終わり、昼ご飯を有名チェーン店で食べて2人は家に帰った。
帰り道の電車で二人は会話していた。
「今日は付き合ってくれてありがとう。あと助けようとしてくれて嬉しかった」
もながそう言うとさとるが返事をした。
「楽しんでもらえたならよかった」
さとるは嬉しくなった。
「しいて言うならもっと服のセンス磨きなさい。適当に返事してたら女の子に嫌われるよ。私だったからいいけど」もなはさとるに言った
さとるは内心じゃあ磨かなくていいかと思った。だって好きなのはもなだからだ。
そんなことを思いながらさとるは適当に返事をした。
「わかった。わかった。」
そんな会話をしていると、電車が地元の駅に着いた。
2人は電車をおりて実家のマンションに帰った。
駅からマンションに帰る途中に、もなにあることを言われた。
「そういえばさとる昔から目つき悪いって周りに言われるからメガネでもかけてみたら。だいぶ変わるんじゃない?」
「もなはそっちのほうがいいのか。」
さとるはもなに聞くともなが答えた。
「いや、そういうわけじゃないけど。なんとなくだよ。」
さとるは時間を作って次の週末にメガネを買いに行くのだった。
月曜日メガネをかけて登校してみた。
「何それ?さとるイメチェン?」
家の玄関前で、りのが言ってきた。
「ちょっとな。」
さとるがりのに言った。
そして家を出て、マンションの前で、もなと合流した。
「どう?似合ってるか」
さとるはもなにさっそく聞いた。
「いい感じだよ。思った通り似合ってるよ」
もながさとるに言った。
「なるほどねー。そういう事か」
りのは、もなに進めてもらってイメチェンしたんだなぁーと察した。
そしてさとる達は3人で、学校に登校するのだった。
登校中さとるはもなに似合ってると言われたのが相当嬉しかったのか終始ニコニコしていた。
よっぽど嬉しかったんだろう。
学校についてさとる達は、自分たちの教室に向かった。
「お、イメチェンか。なんかあったのか」
高橋はさとるに言った。
「ちょっとな」
さとるは高橋に答えた。
「似合ってると思うよ」
山口がさとるに言った。
「ありがとう」
さとるは山口にお礼を言った。
いつもの4人で話していると、また高橋が提案してきた。
「テストも近いし、俺んちで4人で勉強でもしないか?今度は白石先輩つれてこいよ。」
「いいねそれ」
りのがオッケーした。
山口はりのに小声でしゃべった。
「久々に行くから緊張する。」
山口がそう言うとりのは言った。
「大丈夫だよ。また二人きりにするようにもっていってあげるからね」
さとるには、りのと山口の会話が少し聞こえていた。
2人にするってどういうことだ?そう思った。
さとるは、りのに気になって聞いてみた。
「さっきのどういう意味なんだ?」
そうするとりのさとるに言った。
「さっきのってなに?」
りのは聞き返した。
さとるは事情をはなし、りのは理解した。
聞いてみるとひなの、山口ひなのはどうやら高橋ゆういちの事が好きらしい。
まあ幼馴染で昔にそんなことがあれば好きになるか。
そう思ってさとるも山口を応援しようと思った。
でも待てよ高橋が好きなのはりのじゃないか?少し頭によぎって、さとるはりのに聞いた。
「高橋が好きなのは、りのじゃないのか?」
「私なの?でも私は興味ないし、ひなのの為に手伝ってよお兄ちゃん」
りのがさとるに答えた。
りのはさとるのことを都合のいい時にだけお兄ちゃんと呼ぶ。
さとるはめんどくせーけど仕方なく、りの手伝いに付き合うことにした。
「それだったら話が早い。今度の勉強会で途中で用事があるとか言って抜けよう。そしたら二人きりになれるでしょ。」
りのがさとるに提案してきた。
「別にいいけどお前はそれでいいのか。」
さとるが、りのに質問するとりのは、さとるに答えた。
「だからそんなんじゃないって高橋君とは友達だよ」
りのは必死になって言った。
「そうか。じゃあそうするか」さとるはそう言って了承した。
会話が終わり2人は教室に戻った。
「どうしたんだ」
高橋がさとるに聞いた。
「ちょっとな。気になったことがあってそれの答え合わせだ」
それだけ会話を交わしお互い席について授業が始まった。
下校時。
さとるはもなとしゃべりながら一緒に帰っていた。
「そういえばさー。今度高橋の家で勉強会するんだけど来る?」
さとるがもなにそう言うともながさとるに返事をした。
「私はいいよ。学年違うし、同級生同士で楽しんできたら」
「そっか。わかった」
さとるはもなに返事をした。
「じゃあさ。テスト終わったら2人でまた遊びに行かないか?」
もなは嬉しくて笑顔になって返事をした。
「いいの!でもちゃんとセンス磨いときなさいよ。」
「はいはい」さとるが適当に答えた。
エレベーターが4階に着いた。
二人はエレベーターで別れた。
もなは一人になったエレベーターの中で嬉しさのあまりガッツポーズをした。
「あっちから誘ってきた。でもなんで?」
少し疑問もあったが、嬉しかった。
一方のさとるは。
自分の部屋でドキドキしていた。
「言ってしまった。俺から誘ってるみたいじゃん」
そう言って頭の中がぐちゃぐちゃになってよくわからない感情に襲われた。
やっぱり好きなのかな。と再確認をする余裕すらなかった。
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