第3話りのとさとる

 私の名前は相原りの。高校1年だ。


 私には、2つ上の女の子の幼馴染と同じ日に生まれた双子の兄がいる。


 名前はもなちゃんとさとるだ。

 もなちゃんとの出会いは親が幼馴染同士だったからだ。

 一緒に学校に登校するようになって私は、最初は無口だったもなちゃんにぐいぐいしゃべりにいった。


 最初ひいていたが、だんだん喋ってくれるようになった。


 私が中学生に上がってから、もなちゃんがさとるを意識してるなぁーと気づき始めたが、お互い何事もなく過ごしていたから何も言わなかった。


 確信に変わったのは、中学の体育の授業の時だった。


 よくもなちゃんは私たちが体育の授業をグラウンドでしているのを見ていた。


 私から見てもさとるを見ているのが分かった。


 まあクラスの男子はあほだからみんな自分を見てもらってるとその時だけ真面目に授業を受けていた。さとるはどう思ってたかは知らないが。


 そんな感じで私たちは高校も同じ所に通っていた。


 下校中私はもなちゃんにかまをかけた。


 もなちゃんは正直だから少し動揺して答えてくれた。


 確実にさとるが好きそうだった。ずっとなんで告白しないんだろうと思っていた。


 さとるの何がいいのかわからないが、もなちゃんが変な人に捕まるよりかはいいか。と思っていた。


 私は、さとると違って部活をしている。


 中学の時から陸上部に入っていて、推薦で高校にも入れた。


 そんな感じで今日も部活をしていた。


 練習はそんなに苦じゃないが、最近成績が伸び悩んでるのが悩みだ。


 そういえば最近友達のひなの。本名山口ひなのに変なことを聞かれた。


「部活ばっかりもいいけど男友達とか作りなよ。」


「私はそのそういうの興味ないから。そういうひなのは?」

 私がそういうとひなのは素直に言ってきた。


「私はいるよ。ゆういちだよ。」

「もしかして。高橋!」

 私はびっくりした。

 なんでも話を聞くと幼稚園からの幼馴染だったらしい。

 小学5年の時、いじめっ子たちから助けてくれてそれから好きらしい。


 いわゆる片思いだ。本人は気づいてないみたいだが。


 なんとなく私が高橋を見ると高橋は嬉しそうにこっとした笑顔を私にしてさとるとの会話に戻った。


 聞いたからに私はその片思いを手伝いたいと思った。


「手伝うよ。なんでも言ってよ」


 するとひなのは、嬉しそうにありがとうと言った。


 よっぽど嬉しかったのだろう。


 この時りのはまだ気づいていなかった。高橋君が私を好きということに。



 最近陸上部に新しい部員が入った。


 さとるの友達の高橋君だ。


 何かあるたびに、私に話しかけたり、応援していた。


 ひなのはそのたびに少し拗ねていたが、高橋君はそんなのお構いなしだった。


 でもまあそれなりに部活でも、私たちは仲良くやっていた。


 ある時ひなのが不安そうに私に言ってきた。

「あのさぁ。ゆういちってりののこと好きなのかな?」


「どうなんだろねー。でも私の応援してくれてるよね」

 私自身少し困っていたところもあったので、部活中に高橋君にそういうのはやめてほしいと言った。私自身ひいきされてるみたいで嫌だったからだ。あと練習の邪魔だ。


 高橋君は了承した。少し高橋君も反省したみたいだ。


 それからは友達として接するようになった。


 そして、4人は中学から面識はあったが、あんまり喋ったりしなかったが、高橋が陸上部に入った事で喋るようになっていった。


 昼休憩中弁当を食べながら4人で喋っている時高橋が提案してきた。

「今度の日曜部活ないし、遊ばない?さとるも暇だろ。」

 さとるは困っていた。その日はもなの買い物に付き合う予定だったからだ。


「悪い。その日は用事があるんだ。すまんな」

 さとるは高橋に言った。


「付き合い悪いな。じゃあ部活組三人でいくか。」高橋が言った。


「いいよ。」りのと山口はオッケーした。


 結局3人で遊びに行くことになった。


 そして当日。


 さとるはりのより早く出た。


「出るの早いね?」

 りのが歯磨きをしながら、聞いてきた。


「まあな。友達待たせてるから先に行くぞ。」

 そういってさとるはもなとマンションの前で待ち合わせて買い物に行った。

「あ、なるほどね。」家の窓ガラスから2人が出ていくのをりのはみて察した。


「それでさー結局もなちゃんと遊びに行ってたんだよ。」


 りのはさっそく今日遊ぶ2人にその事を喋った。


「ずるいな。白石先輩と2人かよ。黙ってたのは許さん。今度問い詰めてやる。」高橋は少し羨ましそうな顔をした。


「だよね。」

 りのは高橋に共感した。

「やめときなよ。」

 山口は高橋に注意した。



 3人は街に遊びに出かけた。

 高橋と山口を2人っきりにしたりもしたが、うまいこといかなかったみたいだ。

 夜遅くまで遊んでりのが帰ってくると、さとるは先に帰って来て夕ご飯を食べていた。

「りのは御飯食べる?」

 母親がりのにそういうと、りのは答えた。


「今日は食べてきたからいらない。明日朝食べていく。」

「わかった」

 母親がそういうと、りのは自分の部屋に行って寝ていた。


 よほど遊び疲れたんだろう。さとるはそう思った。


 次の日。学校でさとるは高橋に怒られた。

 勿論昨日の事だ。


「なんで白石先輩と遊びに行ったの黙ってたんだよ。ずるいぞ。」高橋がさとるに言ったあとさとるは高橋に反論した。


「だって言ったら反対するだろ。お前のことだから連れてこいとか言いそうだし。」

「言うよ。」

 高橋は正直に言った。

「正直すぎるわ。」

 さとるは高橋に突っ込んだ。


 そんな感じで会話をしていると先生がきて授業が始まった。


 授業が終わり、高橋はさとるに近づいてきて言ってきた。

「今度は白石先輩も連れてこい。」

 それだけ言って席に戻ってスマホを見ていた。


 授業が終わり、さとるはもなと下校していた。


「でさ。今度はもなも連れてこいっていうんだぜ。」

 さとるがそう言うともなが答えた。

「面白い子だね」

 もながそう言うとさとるが言った。

「だろ。しかもりのの事好きみたいな感じなんだよね」

「そうなんだ。」

 もなはさとるの話を楽しく聞いていた。


 居心地がよかったのもあり告白のタイミングを失っていたが、それなりに楽しく過ごしていた。

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