第2話もなとさとる

 私の名前は白石もな。高校3年。私は今の町に小学校3年の時に引っ越してきた。


 最初は友達がいなかったが、お母さんが幼馴染と再会したことで、私にも幼馴染が2人できた。


 名前はさとると、りの。2人は同じマンションの4階に住んでいる。


 2人とは、小学校の時から一緒に登校している。


 私は最初無口だったけど、りのちゃんがしゃべってきてくれたおかげでりのちゃんとさとると3人で登校したり下校したり、休みの日は近所の公園で遊んだりしていた。


 大きくなってからはさとるに勉強を教えたりしてお互いの家を行ききするような関係になっている。


そして、中学に上がった時のさとるが、陸上部の短距離走に打ち込んでいるのを見て、かっこいいと思うようになった。


 音楽の授業の時も移動教室から走ってる姿を見えていたのもある。


 多分体育の授業と重なっていたんだろうと思う。


 私はその姿が好きだった。


 だけど、中学2年に上がって辞めてしまう。


 理由は、りのよりセンスがあると思わなかったからだったみたいだ。


 でもその時の記憶を鮮明に覚えていて私はさとるが好きになる。


 昔から知ってたし、多分いわゆる幼馴染フィルターだと思う。


 そんな感じで私達3人は同じ高校に通ってる。


 そして、私は久々にさとると一緒に下校して帰る。

「最近どう?」となにげにさとるが聞いたんだと思うが、私は嬉しい気分になる。


 だから私は笑顔でお礼を言った。


 だらだらとしゃべったが何が言いたいかと言うと、私は告白のタイミングを失ったのだ。


 中学の卒業式で告白しようと思ったが、いろんな人に告白されて告白できずにいて、告白しようと思えばできたが、さとるが家に帰っていて告白できず、困った。


 当時の私はさとるの家まで行く勇気がなかった。



そして、告白の事を考えないようにして、毎日一緒に登校している。完全に告白タイミングを失ったと思っている。


 当時は正直告白するのが、怖いと言う気持ちもあった。

 

 私にとってさとるは、親友みたいに相談できる相手だからだ。


 だが、1つ決めたことがあった。


 遅いかもしれないが、高校受験が終わったら告白しよう。私はそう決めた。


 風紀委員の仕事の帰り道部活終わりのりのちゃんに会った。


「あ、もなちゃんだ。いつも大変そうだね。今日も風紀委員の仕事の帰り?」

「そうだよ。でもそれなりに楽しいよ。先生の雑用だけど。りのちゃんこそ最近部活動どう?」


「最近長距離走の記録が伸びなくて地味に悩んでるだよね。」


「そうなんだ。大変だね。でも応援してるから頑張って」


「ありがとう。そんな事よりさーもなちゃんって好きな人とかいないの?いつも風紀の仕事ばっかで私なら息が詰まるよ」

 なんとなく私に聞いてきた。


「す、好きな人。い、い、い、いないよそんな人。」


「怪しいなぁ。まあなんとなく見当はついてるけど」


「え、そうなの」


「やっぱりいるんじゃん」

 こういうやり取りをして、私はもなちゃんに、かまをかけられた。


 すると私は赤面した。


「誰々?やっぱりさとる?」

 りのちゃんが聞いてきた。


「もういいよこの話はなし。なかったことにしよう。」

「誤魔化した。やっぱりそうなんだ。」

 りのちゃんが言った


 違うとも言えず私は返答するのに困った。

 私が告白のタイミングを失ったなんて言ったら絶対笑われる。私はそんな気がした。


 そんな会話をしているとちょうどマンションに着く。


 4階について私は、エレベーターでりのちゃんと別れた。


 そして、次の日朝は風紀委員の仕事が休みで、私はいつもと同じ幼馴染3人組で登校していた。


 昨日の今日だったのもあり、さとると会うのに少し緊張した。


 登校中私を気遣ってくれたのか、りのちゃんはさとるに、ある質問をする。


「そういえばさ、好きな人とかいないの。」

「いないよ。そんなの。」

 さとるは誤魔化した。

 少し私は動揺した。

 さとるは私の顔をみてなにかをうかがった。

「どうかしたのか?」

 そういうと、りのちゃんが、さとるに言った。


「わかってないなぁ。」


「何が?」

 この時のさとるはわからなかった


「なんでもない」

りのちゃんはさとるに呆れた顔をして言った。

 

 やっぱりさとるは何もわかってないみたいだった。


 そんな会話をしていると、学校に着き、お互いの教室に別れて自分たちのクラスに行く。


 そして、時間は変わり昼休み休憩中さとるは、高橋と教室で弁当を食いながらしゃべっているのだった。


「そういえばさ、お前白石先輩の事どう思ってんの?」

 不意に高橋がさとるに聞いた。

「どうって言われてもなー。幼馴染だけど。」


「ほんとにそれだけか?じゃあ俺が告白しよっかな」

 高橋がさとるに言ってきた。


「それだけはやめてくれ」

 焦ったさとるは高橋に言った。


「なんでだよ。まあ別にそういう風に見たことないけど」

 高橋がそう言うとさとるは誤魔化して話を変えた。

「ところでさ。お前はなんで最近陸上部入ったんだ」

 さとるが高橋に何気なく気になっていたので聞いてみた。


「え、とそれはな。内緒だ」

 高橋も誤魔化した。

 こいつの事だからさとるは何か理由があると思った。

 これはさとるの予想だが、多分陸上部に好きな奴ができたとかそんな感じだろうなぁ。と思いつつ。それ以上追及しなかった。


 放課後、いつも通りさとるは帰宅して勉強をしてする。


 もなに、勉強を教えてもらう時間をいただくのもなんか違う気がするからだ。


 さとるは、あれはあれで2人になる時間で好きだったが、受験の近いもなには、迷惑がかかる。だからさとるは、高校に入ってからはできるだけ自主勉するようになる。

 そのおかげもあって、中学より成績が少し伸びた気がするみたいだ。


 勉強をしていると、いつの間にかお母さんがパートから帰って来て、夕御飯を作る準備を始めていた。


 さとるはいつの間にか帰宅していた、りのと父親と母親の4人で夕ご飯を食べて、風呂に入って明日の学校の準備をして就寝につくのだった。

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