FILE3 帰省
第30話 AMP45の代わりなのです!
よんごーです。
FILE3、始まります。
のんびりとお付き合いください。
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8月31日―A.M.10:00―イギリス・ISISジュエルセクションホーム・地下―
「失礼するのです」
フィリック・クルーガーの一件のあとジュエルセクションの面々はそれぞれ帰省の予定を立てている8月31日。
ジャパンの学生が終わらない課題に押しつぶされている頃ダイヤはジュエルセクションホームの地下に来ていた。
「どうぞぉ〜」
地下の汚部屋改めエメラルドの研究室。
そこにはゲーミングチェアに深々と腰掛けたエメラルドがいた。
「何か用なのです?」
「ええ、今日はダイヤちゃんにプレゼントがありますよぉ〜」
「おお!やったのです!」
「喜ぶのはまだ早いですよぉ〜…ポチ」
セルフ効果音と共にエメラルドがボタンを押すとダイヤの地面から台座がせり上がってきた。
「ふふん。ココの新機能ですよぉ〜」
「おお〜…ハイテクっぽいのです。でもこんな仕掛け作ってる暇があったら掃除してほしいのです」
「それは禁句ですよぉ〜」
まぁ、残当。
さて、そんな無駄に洗礼された無駄な装置により出てきた台座の上にはトランクケースが一つ置いてある。
カチャリとエメラルドがトランクケースを開けるとそこには一丁の銃が入っていた。
「ダイヤちゃん。頼まれていたものですよぉ〜」
といってダイヤに銃を渡す。
銃を受け取ったダイヤはとりあえず構えてみる。
軽く構えたところでダイヤが銃を降ろしたところでエメラルドが話し始めた。
「はい、こちらがAMP45の代わりのSMGですよぉ〜」
「ふむ、見たこと無いのです」
「でしょうねぇ〜。だってこれノーバで今年作られた最新モデルのSMGですからねぇ~。
名前はノーバ・ポーターといって、来年の春頃から法執行機関や軍に売り出される予定ですねぇ〜。
で、私がそこからダイヤちゃんに合うようにカスタムしたのがこちらですよぉ〜。
まぁ、さしずめノーバ・コレットと名付けましょうかねぇ~。
ノーバのとは結構性能も段違いですしぃ〜」
「コレット……たしか宝石の台座という意味だったのです………」
「ですねぇ〜。まぁ、宝石と切っても切り離せないと言うことで付けましたよぉ〜」
「これならなくすことは無さそうなのです」
「ですねぇ〜」
まぁ、そんな意味もあったりなかったりとした名前である。
さて、そんなノーバ・コレットだがエメラルドからの説明は続く。
「で、肝心の性能ですがぁ〜。一言で言えば軽くて、強くて、コンパクトですねぇ〜。まず、何と言っても目玉は独自の反動軽減システムですねぇ〜。端的に言うと、反動を下へ逃し、銃口の跳ね上がりを抑えるという構造ですねぇ〜。だから、少々特徴的なボディになってるんですよぉ〜。
続いて使用弾薬は安心と信頼の.45ACPですねぇ〜。マガジンは三十発タイプですね〜。一応銃からマガジンが飛び出さない十三発モデルも用意してありますよぉ〜。重さは2.3キログラムでAMP45より軽く仕上げてますよぉ〜。やはりポリマーは軽いですねぇ〜。
アクセサリはアンダーマウントにダイヤちゃんのお手々サイズのフォアグリップに、サイドにはフラッシュライトとレーザーサイトを兼ねた私オリジナルのサイトにスコープマウントには暗視機能とズーム機能付きのホロサイトを付けてますよぉ〜。ストックは最低限で且つ安定性を出せるタイプの折りたたみ式L字のスケルトンストック、バレルには特殊小型サプレッサーを付けてますよぉ〜。その他レフティーモデル化やセレクターレバーの位置やサイズなどダイヤちゃんが使いやすくカスタムを済ませてありますよぉ〜」
「なるほど〜……使いやすいのです。あっ、マガジンをほしいのです」
「どうぞぉ〜」
エメラルドが三十発入りのマガジンをダイヤに渡す。
受け取ったダイヤはマガジンを差し込み、レーザーサイトの反対側にあるコッキングレバー※1を引いて薬室に弾を送る。
そして標準を定めてセミで数発、フルで十数発撃つ。
次にストックを折りたたみ撃つ。
「ふむ、たしかに大口径弾を使ってるとは思えない反動なのです」
「ですよねぇ〜。そこが売りですからぁ〜!」
エメラルドも褒められて嬉しい様子。
すると、ダイヤがとあることに気付いた。
「あれ?このレバーは何なのです?」
セレクターの反対側に付けられたレバーを指さしながらダイヤが言う。
「あっ、忘れてましたぁ〜。このレバーはバレル調整レバーですねぇ〜」
「聞いたこと無いのです」
「でしょ〜ねぇ〜…だって私のオリジナルですからねぇ~!」
すごいドヤ顔でエメラルドが言う。
「ほぉ~…!で、何ができるのです?」
「バレルの長さを調整できますね。平常時は140mm、ロングバージョンで240mmまで伸びますよぉ〜」
「おお、いちいちバレルを変えなくて済むのはありがたいのです」
「でしょぉ〜!」
さらにドヤるエメラルド。
まぁ、それだけのモノを作ったからね。仕方ないね。
「さて、スペックはコレぐらいですがぁ〜…まぁ、後は使ってから色々カスタムしてみてくださいねぇ〜」
「わかったのです。ありがとなのです!」
「お礼は膝枕でお願いしますよぉ〜」
欲望丸出しである。
もう少し隠す努力というモノをだねぇ〜。
「じゃあ、ありがたく頂いていくのです!」
と言ってからダイヤはノーバ・コレットをトランクケースに仕舞い、トランクケースを持ってエメラルドの研究室を出る。
その顔は新しいおもちゃを与えられた子供みたいにワクワクしていた。
「フフフ……どう弄ってやろうかなのです……」
ご丁寧にそんな独り言を吐いて荷物の整理へと戻っていった。
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※1:コッキングレバー
…銃弾を薬室に装填したり、薬室から排莢するためのレバーのこと。
ハンドガンではスライドを引く行為がこれの代わりになることも多い。
よんごーです。
ノーバ・コレットのモデルはクリスUSA社の
気になる人はググってみてください。
個人的にもお気に入りの銃の一つです。
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