第26話 閑話その4 ボッチキャンプダイヤちゃん。その1

某月某日―イギリス・ニューフォレスト国立公園―


どもなのです!ダイヤなのです!


今日はボッチでキャンプに来たのです!

こう見えてもキャンプはそこそこ経験があるのです!

ボッチでも安心安全快適に過ごせるのです!


あ、こっからは地の文では普通の語尾に戻しますよ。

あんまりやりすぎてもくどいので。


さて、そんな私は今トムさんの車でニューフォレスト国立公園まで送ってもらってます。


自然の中を進み、着きました。


「ありがとなのです」


「いいってことよ。仕事のついでだしな。そういや、帰りはどうするんだ?」


「帰りは今こっちにいるトパーズさんの車に乗せてってもらうのです」


「ハハッ、その小さな身体じゃいろいろ大変そうだな」


「むぅ…私でも運転できる車が欲しいのです」


「そっちのエメラルドにでも頼んだら造ってくれるんじゃないか?」


「頼んでみるのです。じゃ、私は行くのです。ありがとなのです!」


「ああ、楽しんでこいよ」


礼をしっかり伝えて降ります。

いやー…ホントにみんな優しくてありがたいです。

この身長だと車を運転しても顔が隠れちゃいます


さて、そういう話は置いといて今からは楽しみますよ!


キャンプ用品を詰め込んだキャリーカートを転がし、キャンプ地へと向かういますよ!



◇◆◇◆◇



「はい、一人用のテントのスモールだ。貸出期限は明日のお昼まででよかったか?」


「はい。お願いします」


「わかった。それにしても一人か?」


「はい。ボッチキャンプというのには憧れがあったもので」


「いやー、おじちゃん嬢ちゃんがココに来た時は迷子かと思ったが、成人してるとはな……人は見かけによらないな」


「ハハハ、よく間違われます」


「だろうな。ま、なんかあったら呼んでくれ。あと、ルールは最低限守ってくれよ」


「わかりました」


あの後キャンプの受付をしているログハウスに向かい、受付を済ませ、テントを借ります。

口コミで、ココのテントは過ごしやすいとか聞いたから今回は現地で借りてみることにしました。

そんな一人用のテントの中でも小さいものをキャリーカートに載せ、受付兼、管理人のおじさんにお礼を言ってからテントを立てる場所まで向かいます。


てくてく歩いて着いたのは小川のほとりの草原。

近くには森林もある360°自然が広がる場所です。

以外にも受付を済ました管理小屋とも近く、立地もいい感じです。


さて、そんなところでキャリーカートを停め、テントを取り出します。


「うんしょうんしょ」


何でもペグの要らないテントということでワクワクしながら組み立てていきます。

傍から見れば幼女が一生懸命テントを組み立てようとする微笑ましい構図にしか見えないということはこの際置いときます……


そんなことをしていると、近くでテントを立てていた二人の女性に話しかけられました。


「ねえ、あなたお母さんとお父さんは?」


「ふえ?」


「お母さんとお父さんはどうしたの?」


優しく問いかけられる。

自然としゃがんで目線を合わせようとするあたり慣れているのかもしれない。


「あー…私こう見えても大人です。ほら」


スッと免許証を見せる。

まぁ、職業柄複数枚別の名刺を持ってますけど、今回はいつも使うノアのやつを見せる。


「嘘…すみません!」


「す、すみません!」


と、女性は二人して謝ってきます。

うーん、申し訳ないです…


「アハハ…慣れてますよ…」


さて、話を逸らしましょう。

せっかくのキャンプを微妙の空気でスタートしたくありません。

ここはイギリスでは珍しい黒髪から観光客だと思うので、そこからいい感じに話を逸らせたら……


「あ、そういえばお二人共珍しい髪色ですね。黒はこの国ではあんまり見かけないもので……」


「あ、私達日本から来てるんです」


「おおー!ジャパンですか。遠いところから来たんですね〜」


「ええ、ところであなたはココの人ですか?」


「いえ、私もココに来たのは数ヶ月前で、今はロンドンに住んでますが、生まれはフランスですよ」


「フランスですか……一回行きたいです」


「だね、今度はフランスに行こうか」


二人共旅行が好きなんですかね?

いいですねー…私も仕事じゃなかったら世界中周りたいですね〜


まぁ、何はともあれ微妙い空気はさりました。

だから軽く挨拶と雑談を済ませ、それぞれ作業に戻ります。


かるーく数分テントを組み立てると、以外に立派なテントが出来上がりました。

色はクリーム色で形はワンポールで八角錐のテントです。

中はそれなりにこぢんまりしていて、なんか落ち着きます。

軽く荷物を移し、寝床の寝袋……を用意せずいい感じにふかふかなマットレスを敷いて、最近暖かくなってきましたから、薄めの毛布を掛けて寝床を作ります。

最後にランタンを吊るしてテントは完成です。


そんなことをしているとお昼になったので外にテーブルと椅子、調理器具一式を置き、青空の元、お昼ごはん作成に取り掛かります。


「えっと、たまごたまご……あったのです」


事前に作っておいたタマゴサラダ、レタス、トマト、カマンベールチーズ、そしてフォカッチャを用意します。

はい、察しのいい方はもうお気づきですね。

今から作るのはフォカッチャサンドです。


まず、フォカッチャの上にレタス、カマンベールチーズ、トマト、タマゴサラダを乗せ、最後にフォカッチャではさみます。

味はタマゴサラダのマヨネーズなどでついてますからフォカッチャに何かを塗る必要はなかったりします。


まぁ、これで完成です。

はい。それだけです。

後はタマゴサラダの変わりに生ハムを挟んで塩気の効いたのも作りました。

こちらの味付けはマヨネースと粒マスタードで付けてます。


こうして完成したサンドイッチ二つと、淹れたてのコーヒーを用意します。


木製のなんか洒落てるテーブルにフォカッチャサンドが乗った皿を置き、コーヒーの入ったステンレスのカップをそばに置いて写真をパシャリ。


テーブルに合う木の骨組みに白の布のキャンピングチェアに腰掛けて頂きます。


「はむ」


小さな口でかぶりつくとふんわりとしたフォカッチャとタマゴの味が口いっぱいに広がり、カマンベールチーズが味に深み?を出してくれてる気がします。

ぶっちゃけよくわかんないです。

でも美味しいです。

生ハムの方もパクリといただくと、こっちは塩気の効いた生ハムにこれまた塩気のあるチーズとのコンビでおいしいです。

お酒が欲しくなる味です。

コーヒーも飲みます。

うん、いつものやつですが、環境補正的ななにかでいつもより気持ち美味しいです。


「ふぅ」


こうして、キャンプがスタートしました。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



よんごーです。

今回は閑話を4から5話ほど挟んでFILE3に入ると思います。

次の話はキャンプ編の後編です。

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