第25話 デブリーフィングなのです!

8月29日―P.M.5:00―イギリス・ISISジュエルセクションホーム―


「はい、はい、わかりました………では失礼します」


サファイアが電話を切る。

そしてほっと一息つく。


「で、どうだった?」


「その顔見れば結果は明白なのです」


「いやー…よかったですねぇ〜」


「ああ」


リビングにいたジュエルセクションの三人が興味津々な様子で訊く。

現在、トパーズを覗いたジュエルセクションの面々はホームでくつろいでいる。


なんでも、新作のダ◯クソウルが出たとかなんとかでずっとやっている。


現に電話をしていたサファイアの近くで


「はい無敵ー突っ込めー!」


「は?こんなの避けれないのです」


「貸してみるのですぅ〜」


「どうぞなのです」


「これはねー…ここはこーやって…ほらできましたよぉ〜。ついでに倒しちゃいますねぇ〜」


「え、ちょ」


「はいお疲れ様でしたぁ〜。ゲームクリアですぅ〜」


「なんでこの人初見でラスボス殺せてるの?」


「ねぇ、ダイヤ、これって死にゲーだよね」


「なのです。ありゃ異常なのです」


あわれダ◯クソウル君。

さて、そんなフロ◯ゲーをプレイしている横で電話していたのはサファイアが雷が落ち、シュンとなる。


そして電話が終わったサファイアを三人が取り囲む。


「さて、全て終わったから話すぞ」


「待ってました〜」


とりあえずゲームは一時中断で、テーブルに着く。


「よし、じゃあ、今回の話の顛末だが……」


「「「ドキドキ・ワクワク」」」


「そういうのは口で言うもんじゃないぞ。で、まぁ、全員検挙だな」


はい、電話の内容は今回の任務についてだった。


「「「おお〜」」」


「まぁ、二人が撮った写真と録音データで基本みんな捕まったさ。コイツラはこの後祖国のISIS支部に連れてかれ、尋問のあと祖国で裁判に掛けられるだろうな。まぁ、コイツラは顧客だ。どうせ大したことは知らないだろう。少ししたら牢屋に連れてってやるさ。だから拷問もせずただの聞き取り程度だ。もしかしたらもうすでに終わってるところもあるかもしれん。まぁ、牢屋に戻ってからは司法の話だ。どうなろうと知ったこっちゃない。

で、だ。問題のフィリック・クルーガーだがな、奴はISISのウチの本部で預かった。すでに尋問は始まっている。まぁ、吐くかどうかはここの尋問官次第だがな。

そして、ココからが大事だが、君たち二人が持ち帰った資料。あの中に顧客リストもあってな、そいつらも順次ウチで連行中だ。さて、それとは別に面白いことが一つわかったんだ。

そこの顧客リストに一つ面白い名前があった。

”バシレウス造船”だ」


「バシレウスねぇ………」


「また”イオ”なのです……」


「ですねぇ〜」


バシレウス造船。

秘密結社イオプロスビブアンデが使っている仮の名前の一つ。

実際そんな商社は存在せず、ペーパーカンパニーである。

サファイアが三人が一通り反応したのを確認したところで続ける。


「そうだ。またイオだ。めんどくさい案件だ。まぁ、この案件はお偉方に任せて私ら新人セクションは庶務をこなして時々任務で世界中だ。まぁ、もっと任務を振られてもいいんだがな………どっかの孫バカがな………」


「あー…なるほどね」


「あの人の性格出てますねぇ〜」


「なんか悪いのです………」


「ま、まぁ、いいや。私もみんなに死んで欲しくは無いからな。しばらくの休暇を楽しんでくれ」


「わかったのです」


「よし、たまにはドイツに帰ろ」


「私も実家にでも帰りましょうかねぇ〜」


「なら私も孤児院にでも顔出しに行くのです」


「おいおい、くれぐれも注意してくれよ。私等は諜報員だ。いつ家族親類に手が及ぶかわかったもんじゃない……それに大きな案件の後だ、余計に危ないぞ」


「「「うっ…」」」


「まぁ、私を含めココにいるのは新人諜報員だけだ。まだ、ターゲットにはされないだろう。現にもっと優秀な諜報員がウチより成果を上げている。狙うならまずはそっちだ。こっちは眼中にも無い…は悔しいが、それでもロクに覚えられていない。まぁ、軍人を狙うならまずウチだがな」


「なのです。ウチより優秀なのはゴロゴロいるのです」


「だね、実家に帰れるかな」


「ですねぇ〜」


「うし、じゃあ、しばらく休暇を楽しんでくれ!」


こうしてしばらくの休暇となった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



よんごーです。

今回は短め。

これでFILE2は終わりで閑話を少し挟んでFILE3です。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る