第11話 閑話その2 ガンオタダイヤちゃん!withルビーさん

初任務を終え、コンゴからイギリスに帰ってきて3日後の午前中。


ダイヤとルビーは二人、地下のエメラルドの研究室に来ていた。

目的は銃のメンテナンスだ。


別に自室でもメンテナンス自体はできるが、二人いわく、雰囲気があるそうだ。


汚い……じゃなく、ものが積み上がっている部屋の一部を片付け、そこにダイヤとルビーは独自の空間を生み出した。


シューティングレンジのそばの空間には机、ガンラック※1とマガジンケース※2にパーツ入れ。その他銃を弄る設備を整えた。


そんな空間でダイヤとルビーはそれぞれサブマシンガンのAMP45とアサルトライフルのNB-15を机に出していた。


「よし、弄るか」


「その前にパーツの洗浄を済ますのです。帰ってきた後すぐしたけど、もう一度やっておくに越したことは無いのです」


ということで二人して、銃を分解後、基本オイルを塗布した布で軽くふく。

ぶっちゃけ、しっかり普段から手入れをしておけばあんまりすることはない。

それと、バレルに砂が入っていると行けないから、そこは念入りに水で洗う。


それが終わると、二人して楽しみにしているカスタムタイムだ。


まず二人して、ハンドガンのエメオリジナルを出す。ノーバSPPはスパイとしての携行様。元々エメラルドがスマートにカスタムしていたため、変にカスタムする必要はない。ぶっちゃけエメラルドのカスタムでちょうど良いのである。


だが、エメオリジナルもカスタムはしっかり施されているが、二人はあの任務を通して、自分のクセなどに合うように色々カスタムをする。


「うーん…私はマグキャッチレバー※3を低く切り落とすのです。少し指に当たりやすいのです」


「なるほどぉ……なら私はセーフティレバー※4を少々大きくしようかな?少し扱いづらい」


二人して夢中のようである。

特注で用意してもらっているパーツをあーでもないこーでもないと取っ替え引っ替えしている。


「にしても最近アンビ性※5のある銃が増えてきたね〜」


「なのです。左利きにも優しい銃社会なのです」


「だね〜」


左利きのダイヤとしてはこれからもアンビ性は増えてほしいと思っている。


「あ、そういやマグリリースカット※6が施されてるやつある?」


「あるのです」


「お、やった。いやーダイヤちゃんのマグリリースカット結構使いやすそうだったからね〜」


「そうなのです?まぁ、私はコレで慣れてるからいいですけど、違和感覚える人も多いのですよ」


「へー…まぁ付けてから考えればいいや」


以外に軽いノリでポンポン変えてるなこいつら。

おっと、ふたりとも、エメオリジナルを弄るのはコレぐらいでホルスターに仕舞った。


「よし次はこれだ」


「なのです」


二人して脇にどけていたAMP45とNB−15を手元に持ってくる。

そして立ち上がり構える。


基本二人は弄る前に構えてしっかり吟味はするが、一度弄りだすと後先考えずにパーツを取っ替え引っ替えする。

でも、変態なカスタムになることはめったにない。


まぁ、ちょこちょこ銃をもらうと、変態カスタムを施すことはちょこちょこあるが。


例えばギリギリまで切り詰めて、スーツの内ポケットに入るぐらいのサイズの水平2連式ショットガンやら、某ケースレスで中身がガバガバのドイツ銃になんとかしてサプレッサーをつけようと模索したりなど色々ある。

終いにはアメリカで生み出されたSFチックでまさに僕が考えた最強の銃という名前が似合う某アサルトライフルとグレポンをたして、そこに17足してゼロで割ったアサルトライフルをどこからか手に入れ改造していたりする。

もれなくみんな実戦投入は無理だが。


閑話休題それはともかく


二人はこちらもそれぞれ自由にカスタムしていく。


「こっちのスケルトンストックには中に一本骨が縦に通ってないのですが……うん、通ってる方がいいのです」


「そういや、コレもアンビ性だわ」


「ホントなのです」


「なんで今頃気づいてんだろ」


「なのです」


「あ、セレクターレバー※7ももう少し指がかけやすくしよ」


「うーむ、ハンドレールにつけるアクセサリはどうしようか悩むのです…」


ダイヤの持つAMP45は側面と、下部にマウントレールが付けられており、上部にはスコープマウントのみが付いている。


そんなスコープマウントにはエメラルドお手製のホロサイトを付けている。


「あ、そういや、エメからこんなの預かってた」


とルビーが机に置いたのはホロサイトだった。


「えっとなになに?…このホロサイトには暗視効果もついてるってさ」


「やったのです!」


サイズ的にも丁度なダイヤのスコープマウントに今まで使っていたホロサイトを今もらったばっかのホロサイトに取り替える。


そして暗視装置のボタンをポチポチする。


「ふむ…以外に見やすくていいのです」


「よかったね~」


それからも弄ること1時間ほど……


「ぷは〜!今日もたくさん成果あったね〜!」


「今日はいいものが手に入ったのです!」


と上々な様子で二人は銃を持ち地下を去った。


その顔はまるで駄菓子屋でたくさんお菓子を買ってもらった子の様だった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



※1:ガンラック

 …銃を仕舞う棚のこと。

  ロマンが溢れてる(byよんごー)

※2:マガジンケース

 …マガジンを入れておくためのケース。

  作中では大型でマガジンがたくさん入っている箱である。

※3:マグキャッチレバー

 …マガジンキャッチ、マガジンリリースとも言う。

  マガジンを引き抜くための部品かつ、

  挿入されたマガジンを固定しとくための部品。

  主に銃のトリガーガード―不意にトリガーを引くことを

  防止する安全装置―の付け根に付けられる。

  マグキャッチとはマガジンキャッチの略称にあたる。

  ボタン状ならマガジンキャッチボタン、レバー状ならマガジンキャッチレバーと

  言う。

※4:セーフティレバー

 …安全装置のこと。

※5:アンビ性

 …利き手の左右に関わらず扱える銃のこと。

  例えば、セーフティレバーが左右両側面に付いているとか。

※6:マグリリースカット(グリップ)

 …マガジンキャッチが押しやすい様にグリップ部分を

  一部削っているグリップのこと。

※7:セレクターレバー

 …銃のモードを切り替えるためのレバー。

  基本セミオート、フルオート、セーフティを切り替えるのに使われる装置。

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