第10話 閑話その1 ダイヤちゃんの料理教室
これはまだダイヤが着任してすぐの話である。
(メタァな事言うと4話の結構前である)
ジュエルセクションの一行は本日家での家事分担を決めていた。
「よし、じゃあ、料理は当番制。だが、仕事の関係で厳しそうなら誰かが代わりに作ってもらう。作ってもらったら次の当番を変わってあげるということでいいな?」
「いいのです」「だね」「わかりましたぁ〜」「はいはい」
「はいは1回ということで、これで全部決まったか?」
「だね」
「よし、じゃあ、最低限今決めたことは守ってくれよ」
こんな具合にその日は終わった。
ちなみにその日の家事は流れでダイヤがやっていた。
◇◆◇◆◇
翌日―朝―ジュエルセクションホーム キッチン―
「おい、これは何だ?」
「炭?ですかね?」
「ちょっとぉ〜恨みでもあるんですかぁ〜」
「これは、これで味が…味が…あr…ないのです」
「いやね、コレはね、色々あるのよ」
今日の家事分担では調理はルビーの担当だが…
テーブルの上にあるのは黒いなにかである。
でもそんな黒い何かに果敢に挑戦しようとした者もいた。
「ま、まぁ料理は中身とも言うのです。で、ではいただくのです」
ダイヤが逝った。
真っ黒い炭のごときスクランブルエッグを一口口に運ぶ。
「う”っ”な”の”で”す”……」
「「「ダイヤちゃぁーん!!」」」
「だ、ダイヤちゃん…ダイジョブか?」
「あ、あのこれ息してます?」
「ちょ、ちょっとAED持ってきまぁ〜すぅ〜」
「いやいや、そんな大げさな…あれ?脈はどこ?…えぇー!いぃー!でぃー!」
数分後………
「……なのです!」
「おお、生き返ったか…」
「よかったです…」
「だ、ダイヤちゃん…記憶とか大丈夫ですかぁ〜」
「ごめんね〜!」
無事息を吹き返したダイヤ。
そんなダイヤはこんなことをいった。
「あの、このままだと、いつどこで誰がどの様に仲間の料理で帰らぬ命になるかわかんないのです。なので私としてはここで1回、苦手な人にしっかり料理を教える必要があると思うのです」
「異議なしだ」
「ですね」
「死にたくは無いのですぅ〜」
「それな」
「もうちょっとルビーには当事者意識をもってもろて」
「ではそういことで、まず、ルビーさん以外に料理に自信ない人は手を上げるのです。もう、この際料理ができないのはイギリス人だからということにしとくのです」
すると3人の目が泳ぐ。
プロじゃなくても分かるレベルで…
ちなみにだが、ダイヤはフランス人、ルビーはドイツ人、サファイア、トパーズ、エメラルドがイギリス人である。
「ま、まぁ、そこまで苦手ではないが、挙げておこう」
「ですね…」
「ま、まぁ、人並みにはできますがぁ〜ここは教えてもらいましょうかぁ〜」
イギリス人は舌が三枚あるくせにモノの味がわからないとはよく言ったものである。
さて、そんなイギリス人トリオとドイツ人は話の流れで料理を教わることとなった。
1時間ほど後…
「さて、まず、ココに軽く材料を用意したのです。それぞれ得意料理を教えるのです。無いなら無いと言うのです」
「じゃ、じゃあオムライスでも作るか…」
「「私も〜」」
「じゃ、じゃあ私もつk「ルビーさんはいいのです。これ以上ABC兵器※1を作られるわけには行かないのです」はい………」
ということで三人揃って一緒に作るにはコンロが足らないため、一人ずつ作る。
「今回はデミでも、トマトソースでもどっちでもいいから一度作ってみるのです」
「「「はい……」」」
◇◆◇◆◇
数十分後、ダイヤの目は死んでいた。それはそれは幼女のしていい目ではなかった。
例えるなら某週刊コミックで連載していた終わる終わる詐欺で有名な作品の某銀髪テンパのような死んだ魚のような目であった。
「ま、まずサファイアさんから訊くのです。これは一体何なのです?」
「なにってオムライスに決まってるだろう」
目の前にあるのは黒いなにかである。
なんかこの光景少し前にも見たぞ。
「ま、まぁ、料理は中身とも言う(ry
パクリと一口、その後AED。
「さて、お次はトパーズさんいってみよー…」
声からいきたくないと丸わかりである。
その後ダイヤはもう二回ほどAEDが必要となった。
その後、ダイヤはコレはまずいと感じたのか、料理教室をすることに…
(タイトル回収)
◇◆◇◆◇
翌日、ジュエルセクションの面々はISISの本部に集められていた。
ISISにはそれなりに大きなキッチンがあるためだ。
「はい、ちゅうもーくなのです」
エプロンを付けたダイヤに注目が集まる。
中には『ロリママー』とか、『やっぱ幼妻は最高だぜ』とか、普通に警察のお世話になる奴らもいる。
「はい、じゃあ今日はこのままだと、私はあと何回AEDがいるかわからないので、お料理教室を開きくのです。はい」
「「「「どんどんぱふぱふー」」」」
「では、まず、基本中の基本からいくのです」
「とりあえず、食材の切り方からなのです。まず右で包丁を持ったら、左は猫の手なのです」
「いや、それぐらいは分かってるさ」
「できてないから言ってるのです」
有無を言わせ圧力を受けたサファイアはスッと黙る。
「はい、ココに包丁とじゃがいも、ニンジンを置いてあるから切ってみるのです」
机には半分に切られたじゃがいも、ニンジンが置かれていて、御丁寧に体に害の無いインクで線が引かれている。
「はい、やってみるのです」
4人並んで切る。
まぁ、線が引かれてるところを切るだけだし……なんとかなるよね。
はい、ここはなんとかなった。
「食材を切る時はなるべく大きさを合わせること。合わせないと火が均一に通らなくなるのです」
「「「「はい!」」」」
「よし、ではお次は………
その後………
「なんでこんなにも焦がすのです?」
「いやー…面目ない」
「油を敷いて、しっかり混ぜていれば焦げないはずなのですが……」
「それが難しいんだ」
こんなことがあったり、
「あの、なんで火柱が立ってるのです?」
「わかりません…」
はたまたこういうことがあったり、
「勝手に紫の色素入れてないのです?」
「入れてませんよぉ〜」
こんなこともあったり、
「あの私が目を話した数秒でなんでABC兵器が出来上がってるのです?」
「わかんないよぉ〜!」
トドメにこんなことがあった。
そんなこんなで更に数十分後……
「わたしはもう疲れたのです……」
「うん、ごめん……」
「むぅ、こうなったらとことんやってやるのです……」
◇◆◇◆◇
1ヶ月後………
「やった!みてみてオムライス!!」
といってルビーが持ってきたのはオムライス。
オレンジ色のライスに黄色の卵がかかっていて、その上からケチャップがかけられている至って普通のオムライスである。
「おお!普通に美味しそうなのです!」
「今回は自信あり!」
「ではいただくのです!」
ダイヤはぱくりと一口いただく。
すると、今までみたいにぶっ倒れることはなく、頬をほころばせている。
「お、美味しいのです…!」
「ついにやったよダイヤちゃん!」
「よくやったのですルビーさん」
実はこの一ヶ月ダイヤは毎日の様に料理を教えていた。
メンバーは仕事の関係でみんないたり、一人だったりしたが、毎日やった。
そのおかげか、ルビーは普通のモノを作れるようになった。
「これもダイヤちゃんのおかげだね」
「ありがとうなのです」
後にルビーは語る。
こんなキツイ料理教室は生まれて初めてだ。
というかISISの拷問訓練より辛かった。
コレに比べたら、拷問なんて可愛いものよ、と。
そんな料理教室のおかげか、残りのイギリス人トリオも人並みの料理は作れるようになった。
でも……
「じゃあ、今度は私がオムライスを作るのです」
「やった!!とろっとろを頼むね!」
「わかったのです」
ダイヤの料理には届かない。
◇◆◇◆◇
そんなほっこりエピソードの裏で……
「そういや、サファイアさんよ。例のブツは?」
「ああ、手に入ったさ。コレも隠し撮りしていたエメのおかげだぞ」
「えっへんですよぉ〜」
「ありがとエメ」
「ありがとうございますエメさん」
「まぁ、困った時は助け合いと言いますからねぇ〜」
と、なにやらコソコソ会話している様……
そんな彼女らの手元には数枚の写真が。
その写真にはワンピースにエプロン姿のダイヤが写っていた。
「さて、そろそろ解散しようか…君たちもこの写真で色々したいだろうからね……」
「ま、まぁそいうことで…」
「では、失礼しますぅ〜」
「わ、私は仕事なので失礼します…」
大丈夫かこのロリコンども。
まったく、度し難いな(某大佐)
―――――――――――――――――――――――――――――――
※1:ABC兵器
…NBC兵器、NBCR兵器、CBR兵器とも言う。
主に生物兵器、化学兵器、核兵器、放射能兵器の
4種類を指すものとして用いられる
Atomic, Biological and Chemical weapons
よんごーです。
一応こんな感じの短編を数本はさみ、2章へ突撃します。
短編の数は作者のメンタルによって変わります。
一応2章のプロット的ななにかはありますから、永遠に2章が来ないということはないと思います……多分、きっと、めいびー
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