第3話 訓練なのです!

よんごーです。

この小説は少々銃の用語が出てきます。

簡単な物から難しいものまで出てきますが、一応意味は簡単なものから難しいものまで小説の終わりに書いておきます。

用語の後ろには※を付けており、その※の後ろの数字が振られており、その数字と対応する終わりの※が意味となります。

―例―

銃※1


※1:銃…火器、鉄砲。



みたいな感じです。


それでは本編をどうぞ



―――――――――――――――――――――――



翌日、ダイヤとルビーの二人はマンションを出てとある施設に向かっていた。

国際機密情報局ISISの本部である。

と、言っても地下だが。


「やぁ、ジュエルセクションの二人。今日から二人の教官のトム・ハンターだ。ISISの諜報教官だ。これから二人には拷問の仕方や耐え方、情報の探り方、防諜方法なだ、諜報全般を教える」


「「了解」」


「と、言っても特にそっちのダイヤちゃんはつい最近まで海軍あっちにいたからな…ある程度は身についてると思う。だからあまり硬くなる必要は無い」


かるく顔合わせだけして、訓練は始まった。



◇◆◇◆◇



「いいか、拷問は映画みたいにはいかないぞ。相手も必死だからな。トーシロは飴と鞭で堕ちるが、ベテランはそうはいかない…奴らはを知ってるからな」


「ではどうすれば…簡単だ。精神をへし折ればいい。それか惚れさせるか」


「おお〜ではロリコンはうちのダイヤにイチコロ〜!」


「だな。ロリコン特効はあるわな」


「よっ!ロリコン特効萌兵器!」


「なんなのです?その不名誉な二つ名は?」


ある時は拷問の仕方の座学。

まぁ、話はそれにそれダイヤチャンカワイイヤッターになるわけだが。


ザパァーン!!


ビリッバッチィ!


「ぅぅぅぅ…!ぅにゅぅ…!」


「さぁ、吐けぇ!!」


「うるせーロリコン!」


「おい!」


「御覧ください。あれがロリコンです」


『うわートムさん…』

『ロリコンはまずいですって』

『あれが鬼教官の本性だったなんて……』

『絵面が性犯罪者にしか見えないなぁ…』


「おいそこ!今ダイヤと必死にやってるんだよ!変な野次をするんじゃない!」


またある時はトムがロリコンにされたり。


「おお〜さすが元特殊部隊員。狙いが定まらない」


「くたばれロリコン!」


「だからロリコンじゃねえ!」


以外にダイヤの体術は見事である。

自分の何倍も大きいトムを華麗に投げ飛ばせるぐらいには。

だがトムは体にものを言わせるが、技術の乗った攻撃を繰り出す。


「ファック」


「ジュエルにあるまじき言葉だな」


「くたばれロリコン」


「だからロリコンじゃねえつってんだろ!」


コンパクトに繰り出されたソバットは的確にトムを射抜く。

まぁ、トムもやられっぱなしでは無いから上下に大きく動くカウンターで着実にダメージを与えている。



◇◆◇◆◇



そんな感じに時に笑い、時に傷つき、時に泣き、時にキレること数ヶ月………

あっ、キレてたのはトムだけだわ。


気を取り直して数カ月後………


よくできた小説や漫画は特訓回をしっかり設けているが作者には無理であった。


「よし、今日で訓練期間は終了だ。多分これからは実戦になる」


「「はい!」」


「なんか随分砕けたな〜」


「そりゃぁ〜数ヶ月もいたらからね〜」


「おかしい…俺は鬼教官で通ってたはずなのに…」


「まぁまぁいいじゃないのです〜」


「よしふたりともこっち来い。最後にシバいてやる」


トムはそう言うが、実際は勝てるかどうか怪しいところである。

ちなみにこの二人はそうは言うが内心では教え方がわかりやすかったりなど結構尊敬はしている。


「まぁいい。そろそろサファイヤさんが来る。なんでも二人に渡したいものがあるとか無いとか…」


「ほー…なんかあるの?」


「チョコミント奢ってくるのです?」


「いや~コーヒーゼリーだよ〜」


「おっと、そろそろ俺は用事があるから失礼する」


「「さよなら〜(なのです)」」


トムが去り、二人は雑談を再開する。

内容はありきたりなものである。


決してチョコミントで宗教を作るとか、情報操作してコーヒーゼリーを主食にするとかそんな話はしてない。


ざっと三十分ほど話したところでサファイアがやってきた。


「おつかれさま」


「おつ」


「おつかれなのです」


軽く挨拶を交わす。


「さて、早速だが二人には着いてきて欲しいところがある」



◇◆◇◆◇



サファイアさんに着いて行き、たどり着いたのはジュエルセクションのホームことマンション。

そこのエレベーターで地下へと向かう。


地下に着くと重厚な扉が待ち構えてた。


「失礼する」


「お邪魔しま~す」


「失礼するのです」


扉を開け走ると白衣をきたエメさんが待っていた。


「おおぉ~よーこそぉ〜私のお城へぇ〜」


深々とゲーミングチェアに腰掛けくるくるしながら言う。

その脇には山の様に積まれた紙や、散らばっている機械や機材、ゴミなどThe・汚部屋な様子である。


「ふふふぅ……二人に来てもらったのは他でも無いぃ………ここで死んでもらうためだぁ〜!」


「「な、なんだってー」」


「ほら、御託はいいからはよ」


ノリのいい私達と裏腹にサファイアさんは早くして欲しい様子。

カルシウム足りてる?


「むぅ……ままええわぁ…さて、二人とも銃は持ってるぅ〜?」


「持ってるよ〜」

「持ってるのです」


「なら見せてぇ〜」


と言われ渡すとエメさんは軽く銃を見た後に私達の銃を投げ捨てた。


「ちょっと!」


慌ててルビーさんが止めに入ると…


「まぁ、冗談ですよぉ〜」


エメさんが指を鳴らすと銃の入った箱がひとりでに動き始めた。


「おおっと!」


「はい、銃は返しますぅ〜」


私達の正面までキャスターで走ってきた箱から銃を取り出す。

軽く見たけど、どこも壊れてない様子。


「さて、前座はここまでにして今日は私から贈り物がありますぅ!」


といって再び指パッチンをすると今度はまた別の箱が動いた。

その箱には真っ赤な布がかけられていてなんだか重厚感があった。


エメさんのもとまで走った箱はスッと止まり、動かなくなった。


そしてエメさんがバサッと布を取るとそこには銃が4丁置いてあった。


「さて、二人への贈り物ですよぉ〜」


といって二丁の銃を取り出すと私達に1丁づつ渡す。

私に渡されたのはちょうど私の手でも握れるくらいジャストな大きさのグリップ※1のピストルだった。


見たとこ小型でおそらく携行用。

それも小型銃の中でも小型なデザインで全体的に角張りが少なく、スマートな設計である。

隣でもらった銃を見てるルビーさんのは私のをそのまま大きくした感じである。


「ふたりとも夢中のところ悪いんですけどぉ〜こちら、お二人のへの贈り物のノーバSPPですぅ〜。といっても普通のSPPじゃないですよぉ〜!

まず、お二人の手に合うようジャストでサイズを調整しましたぁ〜!

そして、弾は9mm※2ですよぉ〜!

装弾数はダイヤちゃんは6+1※3発、ルビーさんは7+1発ですよぉ〜。

次に全長は2つとも155mmですが、ダイヤちゃんのはグリップを少々握りやすくしてますよぉ〜

あと、元のSPPよりふたりとも軽いでしょぉ〜だって結構軽量化しましたからぁ〜」


「ありがとなのです!」


「で、これはダイヤちゃんだけなんですけどぉ〜カラーリングを見て分かるよう、ダイヤちゃんのはノーバで作られてる黒色のモデルじゃなく、ピンクと白で出来てて、少女のおもちゃに見えるようリボンも付けられる様にしてますよぉ〜」


と言われると左利きの私のためにセーフティ※4の位置とかが違うSPPにセーフティの逆側に可愛いピンクと白のリボンを付けられた。

うん、これじゃスパイ映画に憧れた少女がおもちゃの鉄砲を持ってるようにしか見えない。

現にマガジン※5も何もかもが白とピンクのカラーリングである。


「さて、他の機能は大体素のSPPですけどぉ〜ローデッド・チャンバー・インジケーター※6を追加しておきましたよぉ〜」


「おお、なら空撃ちはないね!」


「そうですよぉ〜これで空撃ちなんてしたら一生言われますよぉ〜さて、説明はこのぐらいであっちで試し撃ちしてきてくださーいぃ〜」


と言われ指差す方に眼を向けると立派なシューティングレンジがあった。


「よし、撃ちに行くよ!」


「なのです!」


てってってーと散らばるゴミを避けシューティングレンジへと向かう。

レンジに付くと動作確認を済まし、マガジンを差し込みスライド※7を引く。

しっかりチャンバー※8に弾が装填されたことを確認し、出してもらっている的に目掛けて引き金を引く。


以外に軽い銃声とともに放たれた弾はキレイに的の中心付近を射抜いた。

それは隣で撃ったルビーさんもである。


「おお〜なのです。これ精度も高いのです」


「だね。それでいて小型で軽い。いいもの作ってくれたね〜うちの技術担当」


「でしょぉ〜あと、これサプレッサー※9ですよぉ〜。小型、軽量、消音。三拍子揃った特製モデルですよぉ〜」


サプレッサーを受け取るとねじ切られたバレルに付け撃ってみる。

パスッと気の抜けた音は小さく、それだけで質の良いものだと分かる。


「おお〜今までのより良いやつなのです」


「だね〜…それに軽いし、なんかバランスも取りやすいし…やった!」


二人できゃっきゃしていたら更にエメさんがランヤード※10をくれた。

なんでも腰のベルト以外にも、手首にも付けられる。

あと、長さ調節も容易だそう。


この後も二人でなれるまで撃っているとサファイアさんが、


「おい、私はそろそろ別件で呼ばれてるから失礼する」


「あ、はーい」


「わかったのです」


「いってらっしゃ〜いぃ」


サファイアさん離脱。

すると、エメさんが残った2丁を持ってきた。


「さて、お二人さん〜…まだまだ贈り物はありますよぉ〜」


と言われ渡されたのは結構大きめの拳銃だった。

でも、私の手にはちょうど合うよう調整されていた。


「はい、これは潜入任務用の特注品ですよぉ〜それも私のオリジナルですよぉ〜さしずめエメオリジナルですよぉ〜」


グリップもフレーム※11もスライドも黒く、これはいささかのおもちゃ感も感じない。

ラバーグリップ※12は滑り止めがしっかりしているが、動作や腰から抜くときの妨げにならない程度の滑り止めで、ポリマーフレーム※13は軽く、アクセサリマウンタ※14にはフラッシュライト※15とレーザーサイト※16の併用モデルが取り付けられている。

バレルはSPPのようなショートではなく延長され、しっかりねじ切られており、小型サプレッサーもしっかり付けられてる。

サイト※17は視認性の高い3ドットタイプ※18で、光ファイバーを付けることで集光性があがり、夜間での運用もしやすい。

スライドも角ばっておらず、スマートな印象がある。


まさに携行用性と攻撃性を両方しっかり備えたハンドガンである。


「お二人さん夢中で見るのはいいけど、説明しますよぉ〜」


「ごめんなのです」


「ごめーん」


「と言ってもお二人はほとんど理解できてそうなので、弾だけ説明しますよねぇ〜。まず、口径は45口径の大口径弾※19を使いますよぉ〜。

装弾数はダイヤちゃんは10+1発、ルビーさんは12+1発のですから注意してくださいねぇ〜」


とだけ言われ再びシューティングレンジへと駆け出す。

そしてなれるまで撃つ。

こっちも癖がなく使いやすい。

スライドロック機構※20では無いため、連射も効き扱いやすい。

それでいて消音性はしっかりしているため、非常に扱いやすい。


「おお〜…こりゃいいね」


「使いやすいのです」


「でしょぉ〜…どーよこのエメオリジナルはぁ!」


そんなこんなで新しい銃を手に入れた。

やったね!



―――――――――――――――――――――

※1:グリップ

  …ピストルの場合、マガジンを差し込むところ兼射手が握るところ。

※2:9mm

  …銃の口径の一種。主にサブマシンガンやピストルの弾。

   世界で最も広く使用されている弾。9mmとは弾の直径のこと。

※3:6+1

  …a+b、装填できる弾の数のこと。aはマガジンに入る弾の数、bは薬室、

   つまり銃本体に装填できる弾の数。だから6+1はマガジンに6発、

   薬室に1発ということ。

※4:セーフティ

  …安全装置のこと。一口に安全装置と言っても色々あるが今回は割愛。

※5:マガジン

  …銃の弾薬をあらかじめ装填しておき、

   発射の際に次弾を供給する銃の部品の一つ。        

※6:ローデッド・チャンバー・インジケーター

  …簡単に言うと空撃ちを防ぐための仕組みの一つ。

   原理は省くが、薬室内に弾があるかどうか目視、

   または親指で確認できるようになる

※7:スライド

  …火薬類の燃焼ガスの圧力又は外力によって動作し、

   遊底、ボルトなどを作動させる部品だが、要は弾を撃つために大事な部品。

※8:チャンバー

  …薬室のこと。銃本体の後方にある弾を装填する部分のこと。

   ちなみにチェンバーとも言ったりする。

※9:サプレッサー

  …消音器のこと。効果は銃の発射音とマズルフラッシュ、

   つまり発射時の閃光を軽減する。サイレンサーとも言う。

※10:ランヤード

  …拳銃の脱落、盗難、紛失防止のために、

   ベルトに銃を結びつけるストラップコードのこと。

   銃のランヤードリングと言うグリップの下部に付ける

※11:フレーム

  …トリガーやハンマーなどの機関部が収まる部品。

   要はパーツをはめる台座みたいなもの。

※12:ラバーグリップ

  …樹脂製のラバーで出来たグリップのこと。

   手が滑りにくくなっている。

※13:ポリマーフレーム

  …樹脂製で金属フレームより軽いフレームのこと。

   金属フレームと比べ、軽く、カラーバリエーションが簡単に作れ、

   耐水、耐腐食性が高いなど、利点は多い。

   ポリマーフレームは金属探知機に引っかからないというのは嘘。

※14:アクセサリマウンタ

  …アクセサリ、つまり外付けの部品を付けるために必要なもの。

   銃の上部や、下部など色々なところにある。

   マウントレール、レールマウントとも言う。

※15:フラッシュライト

  …アクセサリの一種。懐中電灯のこと。

   軍用品だと、耐水性、耐衝撃性、持続性が高い。

   最近はLEDで小型で強い光を出したりできるものもある。

※16:レーザーサイト

  …アクセサリの一種。光学標準機とも言う。

   レーザーを照射し、狙いを定めやすくする。

   それ以外に距離を測ったり、威嚇、サインなど様々な用途がある。

※17:サイト

  …照準を合わせる装置全般のこと。

   アイアンサイト、ダットサイト、ホロサイト、スコープなど種類は多い、

   レーザーサイトもサイトの一種。

※18:3ドットタイプ

  …左右の2点と、真ん中の1点で狙いを定めるサイトのこと。

   視野が取りやすく、ハンドガンとかに採用されている。

※19:大口径弾

  …大口径とは、口径、つまり銃の砲身のサイズのことだが、

   それが大きいものこと。

   大口径弾とはその大口径の銃に合う弾のこと。

   今回は45口径弾、つまり.45ACP弾という弾である。

   この弾は有名なコルト・ガバメントの弾でもある。

※20:スライドロック機構

  …主にサプレッサーを付ける銃でスライドの前後移動で音が出ないように

   するための仕組み。

   要は一発撃ったらスライドは後退したままになるから、

   自分の手でスライドを元に戻す機構のこと。


と、まぁ軽くまとめましたが、なにかおかしなところがあったらぜひぜひ優しく教えてください。

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