30話 新たな仲間達Part2

強い光が漏れ出す。そしてーーー


『シャーン』


「え、天使?!」


 天使といってもミカエルだとかガブリエル……はたまたルシファーとかみたいな姿ではない、それらの後ろに書かれるような子供の姿をしている。


 うん、ペットって何なんだろうな。


「どんな能力なんだ?やっぱそれぞれに合わせられてるのか?」


「うふふ、コーラったら鈍いわね。天使であることがもう美しいゆーりくんにふさわしいじゃない。もうこの時点で合わせられていることは確定しているわ」


「例えそうであっても僕は何も言わないからね……えっと、スキルは」



名前

種族天使

レベル1


ステータス

ギルドペット(所有 ゆーり)


スキル


称号

ギルドペット


「……何もない」


「ということはやはりゆーりさんには天使が合うということでしょうね」


「認めなさい、そなたは美しい」


「……」


『シャン?』


「いや、そうだな。今度一緒に先生に写真撮ってもらおうか、ねタマ」


『シャン?!』


「うんうん、これからよろしくね」


『シャァン』


 タマ……その名づけはどうなんだ?ほら、表情は変わらないしよくわからんがちょっと困惑してるんじゃないか?


「ささ、今度はコーラの番だよ」


「そうだな」


 先生はスライム。ゆーりは天使、それじゃあ俺にはなんだろうか?先生はまぁ生き方が軟体生物みたいだしスライムなことはわかる。ゆーりもまぁ可愛いという才能を持っているから天使だということもわかる。ということはかっこいい俺はドラゴンかなぁ。


「ね、先生は何だと思う?」


「ゴブリンとかじゃない?」


「いや、僕はバビルサだと思うな」


「何それ」


「バビルサ、インドネシアに存在する猪ですね。自身の頭に向かって伸びる角が自らの頭に伸びて刺さりいつか死ぬことから『死を見つめる動物』といわれています」


「へぇ、そんな変な動物がいるのね、ピッタリじゃない」


 おい


「はぁ、それじゃあ行くぞ?」


何回見てもまぶしいと感じるほどの強い光が卵からほとばしり視界を白く覆う。ほどなくして光が収まってくるとそこにはー--


『シャァア』


「蜘蛛か、うん、なかなかいい。かわいくもありかっこよくもある」


「実は私あまり虫得意ではなくて……」


「まぁそれはしょうがない、そういう人もいるよ」


「実は僕もあまり得意じゃないんだよね」


「え、それは男じゃないんじゃない?流石ペットに天使が選ばれるだけあるゆーりちゃんですねぇ、お可愛いこと」


「……妖女さんコーラ妖女さんが可愛らしいって」


「おや、それはうれしいですね。この間のように罵倒されるのもいいですがほめられるのも悪くありません」


「ちょっとその話詳しく聞かせてくれないかしら!」


 おい、余計なことを言うんじゃない。とか言ったら火に油を注ぐだけだ、ここは無視するに限る。


「ステータスはっと?」


名前

種族スパイダー

レベル1


ステータス

ギルドペット(所有 コーラ)


スキル

ブラインド

催眠術


称号

ギルドペット


 ブラインドは盲目のとかいう意味だったはずだし、催眠術ってことは多分睡眠かな?どこでも暗くして催眠術で強制的に寝させてくれるっていうことなんだろうが……


「俺はどれだけ寝たいんだろうか……」


 見せて見せてといってくる先生にステータスを他いじりの人に見える設定にして見せる。


「何々?ふーん、なるほどね。なんかエロイわね」


「言うってわかってたけどさ、全く人のペットで何を言ってるんだか」


「名前はどうするんですか?」


「名前どうしようかなぁくもみ?くももん?あ!クモ子とかどうだろうか……いやどこかで聞いたことがあるからやめておこう。うーん、そうだな。よし、お前の名前はペプシンだ」


『シャァ!』


「これでみんな揃ったわけだな、うん、結構にぎやかになったんじゃないか?というか賑やかすぎないか?」


 美人な見た目の先生に人気Vtuberの可愛い系女の子であるゆーり、中身は紳士だが見た目は幼女それもスクール水着を着た変態、そしてそれぞれのペットであるスライムのリンに天使のポチ、そして蜘蛛のペプシン。


 うん、ペプシンのスキル。あれは多分現実逃避しなさいっていうことだなうん。


 これこっからギルドメンバー増えるかなぁ。色々と苦労しそうだ。


「なんかコーラ楽しそうな顔してるね」


「そうだな、まぁ楽しくなりそうだろ?」


「そうだねぇ、でもこれ他のプレイヤー来ると思う?」


「一応トッププレイヤーがいるわけで甘い汁啜りのやつは来るだろうけど、やっぱり仲良くなれそうな人じゃないと嫌だしな、招待制にはなるだろうけど……誰かいる?」


「「いない」わ」


「だよなぁ」


「……そうですね、戦闘メンバーを探しているのではなくギルドメンバーを探しているというのであればちぇりーさんはどうでしょうか?」


「ちぇりーさん他の所はいらないの?生産職は生産職用のギルドができるだろうし、そっちの方に入ると思ってたんだけど」


「私の想像ですが……コーラさんから誘われたとあれば喜んで参加すると思いますよ」


「なら誘ってみるか、正直生産職の人も欲しかったしな、いいだろ?」


「うん、もちろん」


「えぇ、うふっ一度話してみたいと思ってたのよねぇ」


……怖すぎる。あの魔法少女コスプレオトメと頭の中ピンクのお花畑だ。色々な服きせられていろいろなセリフを言わされる……前にちぇりーさんと一緒に写真撮ったときは一応楽しかったが、それはちぇりーさんは俺を通して他の何か、あの場合は元の作品と自身の作品を俺を通して楽しんでいた。でもそこに先生が絡むとどうだろうか、先生は俺を見るエッセンスとしてコスプレを作るからな。そんな先生に影響されたちぇりーさんがどうなるかは言いたくもない。


「はぁ、じゃあ誘うか」

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