24話 先生との戦い

「おいいきなり魔法撃ってくるのはずるだろ」


「どうせコーラくんなら避けるからいいかなぁと」


「っく無駄な信頼だ」


「ふっふん!だてにコーラくんでいろいろな想像をしてないからね?あ、別にそういう意味じゃないわよ勘違いしないでね、別に勘違いしてもいいけど私は責任取らないわよ?」


「元からそんな勘違いなんて起こさない、ッさ【スラッシュ】!」


「【マッド・ショット】」


「【旋風脚】」


「【ウォーターブレス】【マッド・ショットガン】「ッ!【緊急回避】」うーんやっぱりコーラ強いねぇ、たいていこれである程度ダメージ与えられるわよ?」


 くそ、こりゃ厄介だ。魔法による効果か、装備による効果だかはしらないけど常に浮かんでいるのを生かして魔法による反動で攻撃しつつ距離を取る。無理やり詰めてきた相手には面制圧と、なるほど隙のない有効な作戦だ。その証拠に早くも一つ切り札を切らされた。あーあ、どんな体勢でも回避に移れる神スキルをここで切っちまった。あれ、クールタイム長いんよなぁ。


「ふぅ、やっぱり全力で行かないと勝てそうにないな。」


「あら、舐めプ?そんなに舐めるのが好きならゆー「【戦闘領域バトルフィールド】」」


「さぁ、本邦初公開!こっからが本番だ、付いてこられるかな?」


 戦闘領域バトルフィールド

 非実体化した武装を自身の周囲に展開する。展開した武双は自由に実体化し使用することができ、手から離れた装備は一定時間後に再展開される。


 別にこのスキル自体はすごい攻撃力や範囲、効果があるわけではないが俺のプレイスタイルとかみ合わせると無類の強さを発揮する。


「へぇ、それが全力か。え、かっこいい!ずるい!」


「いや、ずるいって言われてもなぁ」


 まぁ、これまじでかっこいいよな。俺を中心に半透明の様々な武器が展開されてるんだからな。


「ま、かっこいいだけじゃないって見せてやるよ」


 どんな攻撃にも即座に対応できるように持っていた片手剣と槍を先生に向かって放り投げ周囲に展開され半透明な状態で浮かんでいる鎌、悲怨の鎌を右手に持ち左手で盾を持つ。


 投げられた片手剣と槍を避けようとしている先生に【ステップアクセル】を使い加速した1歩で無理やり肉薄し、速攻を仕掛ける。加速した勢いを生かすように【】でさらに距離を詰めつつ気絶スタンを狙う。片手剣と槍によって回避させたために次の回避行動が縛られ、狙った方向に回避させた先生に対しスキルを外すわけがなく気絶スタンとまぁまぁなダメージが入る。気絶自体は数秒と掛からずに解けてしまうがその数秒の間に首筋に鎌で隙がある状態の相手かつ弱点への攻撃を満たしたときのみ攻撃倍率が跳ね上がるスキル【致命の一撃】によりHPを刈り取る。俺が編み出した必殺コンボ。これを逃れることのできた人(モンスター)はいない。


「っふ、【致命の一うぉ?!」


 な、じ、地面がないなった?!っ!


「【旋風脚】【前宙回避】」


「っふ、【ボトムレス・スワンプ】【吸命チェイン・オブの鎖・アブソウィータ】」


 なに!?沼で足が遅くなったところに更なる拘束魔法だ……と?しかもこれHP削られてるな。厄介な。


「まだまだ続くわよ?【吸魂チェイン・オブの鎖・アブソウル】ぐふふ、どろどろになったコーラが鎖に縛られているなんて、いい光景ねぇ」


 くそ。どうするかなこれ……お?つかめるということは当たり判定があるということか?なら……


「【頭骨粉砕とうこつふんさい】【武器破壊ウェポンブレイク】」


 初めに弱点へのダメージ増加バフ、その次に武器に破壊属性を付与するスキルを発動させるが動かずただただ強化をしていたら当然邪魔が入る。


「させないわよ!【パワーウィップ】」


「ッ【シールドスロー】【チャージ】」


 ツタによる物理的な攻撃をシールドを投げるスキルで何とかそらし、最後の強化スキル次の攻撃に限り攻撃力が2倍になるチャージを使う。


「【デスラッシュ】よっし!自由だ」


「うふふ、まだまだ!【触手の抱擁テンタクル・バインド】」


「【スライディングチャージ】からの【インパクト】」


「いまだ!【スラッシュ】」


「【ステップ回避】【スラッシュ】ったく漁夫に来るならもっとばれないように来いや!」


「ぐああぁあああ!」


 漁夫に来た名も知らぬプレイヤーのスキルをよけ無防備となった首筋にスキルを打ち返し一撃のもと撃破する。


 くそ、避けられるところまでは想定内だったが邪魔が入るとうざいな。今のも追撃したかったんだが。だが、それは向こうも同じようであちらも別のプレイヤーを撃破していた。にしても【スラッシュ】で一撃か。一定時間内に発動したスキル数に応じて攻撃力に補正がかかるという【一弾指いっしだん千臂せんぴの力を得し者】によって増えた攻撃力はバカにならんみたいだな。今まであまり活かせていなかったが生かすとここまで強くなるとは。


 その後も攻撃系魔法に混ぜてトラップを仕掛けてくる先生の攻撃に何とか対処しつつこちらも攻撃を仕掛ける。定期的にやってくる漁夫に気を配りつつ無音で設置されるトラップに引っかからないようなるべくランダムかつ足を止めないように動き続ける。最高に集中力が高まってきたこの俺がミスをすることなく、いや、それは盛った。ミスがあっても高い集中状態で持ち前の反射神経を生かし何とかカバーをすることで押したり押されたりを繰り返えしていた。


 要するに互いに決め手がなく試合はだらだらと続いていた。


「派手に戦闘してるから寄ってくるわねぇ【マッド・ショットガン】今はコーラくんとの戦闘に集中したいのだけれど?」


「しゃあないだろ、イベントなんだから俺だってこんな派手にやりあってるやつらがいたら割り込むって【インパクト】」


「そうですよね、私だって混ざりたいですそしてすべて破壊したい」





「「え?どなた?」」


「【一握りの爆弾リトルボム】」


「【ステップ回避】ぐは!」


 っちいきなり爆破とはやってくれるじぇねぇか、なるほど道中合った爆発跡はこいつの通った形跡だったのか。

 ワンちゃん先生死んだんじゃないのか?


「ふぅ、危なかったわ」


「なんだ、生きてたか」


「そりゃああれで死んだら死ぬに死にきれないじゃない」


「いいですねぇ、楽しませてください【爆発旋律破壊のしらべ】は!っは!っは!」


「っち、なんだあれ、剣を振るうたびに爆発してるぞ」


「どうするかしらねぇ、近ずくことすらできないわよ?【マッド・ショット】」


「しかもあの音に寄せらせてプレイヤーも集まってくるはずだ【スラッシュ】」


 まじでどうするか、先生の相手だけでも厳しいのにあのやばい奴も加わるなんてもう無理だろ。


 とりあえず先生よりあいつの方がやばいしあいつから倒す、うん先生も同じ考えみたいだ。だが、先生を視界から外さないようにしなければ。いつ魔法が飛んでくるかわからないしな。


 だが、やはり問題はあの爆発だ。【爆発旋律破壊のしらべ】だとかいうスキルを唱えてから剣を振うたびに爆発が起こっている。


「にがしませんよ!【一握りの爆弾リトルボム】」


「っく、投げナイフまで爆弾に出来るとか反則だろっち、ん?武器にまとわりついてたオレンジ色の靄が無い?」


 なるほど、時間経過で爆発は止まると。要するにあのスキルは武器に爆破属性のエンチャントをするものってことか。タンクであれば爆発に耐えながら攻撃ができるかもしれないが身軽な俺や先生では大ダメージを負って終わりだ。それならエンチャントが切れたと同時に速攻それしかない。


「【スライディングチャージ】【閃拳】【衝拳】【致命の一撃】」


 前に向かって逃げていたのをスキルにフィールドボスの時に獲得してから効果の良くわからなかったがこないだ偶然効果がわかったPAパッシブスキル重力援護グラビブースト】を合わせることで無理やり慣性に逆らい反転し一握りの爆弾を発動させようとしている相手に向けてでの早い閃拳そして閃拳からつながるコンボスキルで下から上へと打ち抜く、いわゆるアッパーのような衝拳。そして本来であればそこから腕を引き剛拳につながるコンボを衝拳によるスタンを利用した致命の一撃により火力を上げたコンボに切り替えることで大ダメージを与える。


「どうだ?やったか?!」


「コーラくん先生の方見てないと駄目だっていつも言ってるでしょう?【とり凄くべたべたするもち白濁した何か】」


「何!?」


「ふふフフフ、コーラが白濁まみれに……このスキル発動まで時間かかるし発動後着弾まで時間がかかるけど近距離から油断してるコーラに当てるのは簡単だったわね。」


「おい、欲望が丸見えだぞ。くっそマジでみじんも動けねぇ」


「そりゃそうよ、わたしのMPほぼ全部つぎ込んだ上位魔法よ?さーてそれじゃあ私の勝ちね、何か一言」


「不意打ちで勝ってうれしいかこの野郎?」


「答えはYES。コーラくんとゆーりくんの撮影会ができるなら何でもやるに決まってるわ。それに野郎じゃないわ女郎よ?【マッド・ショットガン】」

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