4話 弱みを握られた先生が生徒にひどいことされるっていう流れでは?同人誌みたいに!!
学校のお昼休み、俺はゆーりと話していた。
「コーラはどこまで進んだ?」
「まだ、最初の町から出てない」
アーコズを初めてから1週間がたったが、その間何もなかった!ギルドでマスターの話を聞いた後、Barで酒を飲んでたり殴りあってたやつらが寄ってきて酒を押し付けてきたり(やっぱりただのジュースだったが)試合しないかと永遠に言ってきたため地下訓練場で一人ずつやりあったり王城の訓練場でトプスさんやその部下の騎士たちと戦ってたけど……気が付いたら1週間たってたよねうん。あいつら強すぎるんだよ。いや、俺が弱いのか。何てったって結局ステータス上げずに戦ってたからな。一般人が騎士に勝てるかって話よ。
「え、ウソ。コーラならもう次の町に行ってるかと思ったよ」
「いや、ちょっと
「ふーん、ゆっくり来るといいよ、僕は先に行って美味しいクエスト独り占めしちゃうから」
「あ、やっぱり一度しか発生しないクエストとかあるのか、やっぱ少しは勉強しようかなぁ」
「初見で楽しみたい派だもんね、みんなに教えてもらった簡単なことなら説明しようか?」
「そうだな、あの世界ただのゲームだと思って遊ばないほうがいいと思うし、頼むわ。そうだな、折角ならあいつも呼ぶか、今ならたぶん大丈夫だろ」
えっと、アーコズの情報交換会しようぜ、時間ある?場所は任せる。っと、はい送信。
ピコン
お、一瞬で返って来たな。
「えっと、いつも通り会議室だってさ。行こうぜ、ゆーり」
「あ、ちょっと待ってよ」
2-Aと書いてある教室を出て同じ階の反対側にある会議室につき「コンコン」とノックする。そういやノックって2回はトイレ用のノックっていうけど3回だとちょっと多い気もするし何が正しいのか。
「可楽です、聞きたいことがあってきましたー」
「はい、どうぞ」
ガラガラガラッと扉を占める。
「このシチュエーション弱みを握られた先生が生徒にひどいことされるっていう流れでは?同人誌みたいに!!」
「じゃあゆーり、早速教えてもらっていいいか?あまり時間もないし、腹も減ったし」
「う、うん」
部屋に入るたびに同じことを言ってくる女を無視して話を続ける。まったく、この女は外に今の会話が聞こえたらどうするんだか。仮にも優秀で厳しいまさに女王といわれるような女教師のはずなんだがなぁ。
そう、こう見えても先生それも俺らの担任の
「えっと、まず2人ともどこまで進んだ?」
「俺はさっきも言った通り
「あら?コーラくんならもっと先に行っていると思ってたけど。まぁ、私もまだ2つ目の町えっとツァーリの町だったかしら?そこにいくためのフィールドボスが倒せずにいて.....」
「ほぉ、じゃあ俺と同じだな」
「二人ともまだ2つ目まで行けてないの?あまりゲームがうまくない僕でも行ったのに?」
「ほら、君たちはテストが終わったから余裕あるのかもしれないけど私はテストが終わってからが本番なのよ丸付けしたり成績表作ったりね」
配信されてから3週間がたった今、悠里の話によると俺みたいな特殊なルートに入っているプレイヤーを除いてほとんどのプレイヤーが既に2つ目の町にたどり着いているらしい。もしかすると先生もなんかしらのクエストを受けていてそれを隠してるのかもしれないな。
「ま、じゃあ唯一ツァーリに行ってるゆーりにお話ししてもらおうじゃないか」
「まぁ二人とも結構やってそうだし基本的なことは大丈夫かな?スキルのこととかギルドで出来ることとか?」
「いや知らない」
「「え!?」」
あーそういやこのゲーム、レベルスキル制だったな。トプスさんとかその部下の騎士、ギルドのみんなはスキル使ってなかったし手加減してくれてたのか。職業ついてなかったしついた後もそのままやってたな。ギルドも普通のギルドのことは知らないし。そういや、あの最初の町って名前なんだ?やべぇ俺何も知らねぇ。
「コーラ本当に今まで何やってたの?まぁ、何も聞かないけどさ。えっと、スキルは職業に応じてレベル上昇で獲得出来る。検証班の調べによると特定のレベルで獲得できるスキルとそれ以外のスキルがあるらしくて例えば、剣士だったらレベル1でスラッシュ、レベル2でバックステップみたいにレベルで覚えるのが特定のレベルで覚えるスキルなんだけど、それ以外は敵の攻撃を沢山弾いた後はパリィのスキルが覚えやすいみたいにやった行動に付随してスキルが手に入るみたいだね。同じようにやっても覚えられないこともあるらしいから確定じゃないけど」
なるほど、俺はまだレベルが上がってないからスキルを獲得出来てないのか。
「ギルドはどうなんだ?俺、普通のギルドで何が出来るのか知らんのだが?」
「叩けば叩くだけ情報が出てきそうだね可楽は」
やっべ口滑らした。
「叩く....悠里が可楽を拷問?!うーん、ダークな悠里もいい!いや、組織のためにしたくないことをして悩む悠里と可楽が互いに快楽に……ふふふ」
「……ギルドはクエストを受けられるよ。最初ならオオカミ退治とかかな?ま、想像通りかな」
まぁそうだよな。
「あとなんかある?」
「ふふふ……ふぅ、私から言えるのはまぁ、みんなも分かってると思うけどこのゲームはゲームじゃないってことかな。NPCは現実の人と変わらないし、何よりも作り込みが凄い」
「ふぅん、それくらいなら俺でも分かるが敢えてそのことに触れてるんだから、何かあるんだろ?」
「もちろん!君たち地面を掘ったことある?」
地面……そんな、ゲームまで来てすぐよし!地面掘るかって奴は居ないだろ。いや、鉱石が出てきたりするのか?鉱石はこれぞ鉱石ってやつ掘らないと出てこないと思ってたけど。
「実はね、土とか石にもしっかりと名前があるんだよね。土は地名が付いてるだけだったりするんだけど、石は石灰岩とか、玄武岩だったり細かく分けられてて場所によってとれる割合が違うんだよ」
「ってことは、それ以外のもの要するに全ての物で同じことが言えるわけか」
これは結構重要だな。特に生産職の人はしっかりと理解しないといけないだろう。
「うーん、申し訳ないけど俺から言えることは現状ないかなぁ。言ってもいいけど……そうだなNPCとは積極的に関わった方がいいぞとしか言えん」
「役に立たないわね、さて私は午後の授業の準備をするわ。あなた達宿題しっかりやったわよね?」
あ、やべっ!
食べかけのお弁当を無理やり口に放り込み同じくあちゃーとした顔をした悠里と共にドアを蹴り破る勢いで開け後ろからおしかりの声が飛んでくるのを無視して速攻で教室へ戻る。夏休み前最後の授業でわざわざ授業する必要ないじゃん……確かにテスト後の解きなおしは大切だけどさ。
はぁ、早くゲームしてぇ。
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