第5話 エピソード①レールから外れかけ・・

 シゲル君、大学時代に別の意味で人生に落ちこぼれそうになった大変なエピソードが、教育課程から専門課程への時期にあったのを思い出しました。昔むかしの大学ではよくあったみたいなので、受験生の皆様も、ちとですが安心してください。


 彼の大学での専攻は農学部農業工学科だったのですが、1,2年次は全員が一般教育課程となっていて、他の学科の生徒たちと同じ混成クラスで学習していました。

 同郷から出てきた小太りドラゴン善治くんも似たような境遇で、両親には負担をかけてしまうけど、二人とも将来何の仕事を目指すのか確信が持てず、更に一度故郷長崎から出たい思いが強くて大学を受験したのです。なので、大学では勉学に励む方向ではなく、他県の学生たちと交流を深めて友人をつくり職業の選択種を広めようとしながら、自分で選んだ科目を真面目に学んでいたつもりでした。


 ところが、なんということでしょう❓ 一般教育課程での必須科目の取得単位数が不足しかかってることが、評価期日前に判明したのです。体育の「理論及び実技」で、まさか?二人とも右往左往してその対策を先輩諸氏に聞いて回ったのです。これがダメな場合は専門課程に移行できず、留年となってしまいその単位だけのために1年間また学び直しとなってしまうのです。

 友人たちの教えにより、後期の授業が始まる前の暗くなりかけた夕方、善治君と二人で日本酒の一級酒1本(一升瓶)をぶら下げ、大学の近くに住んでおられた担当教授の自宅を訪問し、ただひたすら、平身低頭とにかく進級させてくださいと懇願したのですが 即答は頂けませんでした。


 やや諦めかけていたのですが、結果として二人とも「可」の判定で2単位を出していただき、無事に専門課程への進級を認められたのです。両親へのダメでした連絡を避けることができ、面目を保つとともに卒業までのレールを進むことが可能となったのでした。


 


 







 

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