14 手  12月11日

手を繋ぐ。


 細く筋張った細い手と、ふくふくとした柔らかな手が合わさる。その手の二人が見るのは何故か、明るい世界を感じる。


 しわがれた指と尖った爪とが絡み合わないように繋がれた手。その手の二人が見るのは何故か、闇が広がる暗黒の世界。


 大きな手に包まれる小さな指。その手の二人が見るのは、温かなお日様とどこまでも広がる青い空。


 知らなかった。手って意外と奥深い。


 手を使わないスポーツがある。まぁ正確ではないけれど。言わずと知れたサッカーである。

 イレブンと呼ばれる選手達が、ただ一つのボールを追って、ただ真摯に向き合って、怒涛のように響き渡る応援歌も、震えるほどの援者達の声も、焦がれる幼き瞳すら届いていないのかと思ってしまうほどの熱く没頭した勇姿を見せる。

 その時、彼らの手はどうしているのだろうか?


 表現豊かに仲間に声を送っていたり、泥臭く地面を這って戦っていたり、胸を鷲掴んで祈っていたり。


 

 クリスマスに向かって突き進む我らの手。

 遠くにいる見えない仲間達を繋ぎ、カク手ヨム手となって、きっと細く長く遠く優しくつながっている。

 互いに書き合い読み合う指には、きっと見えないサファイアが光る。誠実に、成功に向かって導いてくれる石。


 ね。 こんな関係。

 一人じゃないよ、と思わせてくれて。

 応援しているよ、と伝えてくれて。


 ありがとう。

 今日も読んでくれて。

 わたしの手は、たった一つのPVに感謝する。

 そしてそっと願う。


 また、繋いでね。わたしとの縁。


 12月11日



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る