第21話 2024/03/04 水が飲める

 抗ガン剤治療が終わって今日で一週間、放射線治療が終わって五日が経った。まだそのくらいしか経っていないのだな。体感的には二~三週間前のことだったように思える。先のことはわからないとは言え、このままならおそらく今回は入院も手術もしなくて済むのだろう。


 副作用は相変わらず出ていて、いまだにあまり身動きの取れない日々なのだが、昨日辺りから吐き気が穏やかになったように感じている。もちろん朝一番に吐き気止めの薬は飲んでいるのだけれど、それでも二日前までは夕方になると吐き気に襲われていた。しかし昨日からそれがない。


 そしてうっすらだが、喉が渇くようになってきた。これは水を飲みたいという体からのサインではないか。そう考えて、今朝冷えたミネラルウォーターを百㏄ほど飲んでみたら以前のような気持ち悪さを覚えなかった。


 もちろん、だからといって調子に乗ってガバガバ水を飲んだりはしない。そんなことをすれば元の木阿弥である。今日は時間を空けて三回、百㏄くらいずつ水を飲んでみたが、いまのところ順調である。しかし明日にはどうなるかまだわからない。


 摂取水分量が三百㏄増えたところで体が水不足であることは変わらないが、とにもかくにも回復への第一歩。まずは水が飲める回数を増やし、後は茶が飲めるようになれば随分と楽になるはず。慌てず騒がず少しずつ前進して行きたいところ。


 と言うか、水もそうだが味覚障害が早く治らないものかと思う。食事が毎回苦行なのだ。いま体重は七十キロを切るか切らないかで均衡状態を保っている。これ以上痩せないようになるべくカロリーの高い食事を摂ってはいるものの、限界はあるし味のない食事は精神的に疲れ果ててしまう。こればかりは努力でどうにかなるものでもないと理解はしているのだが、ホント何とかならんものかなあ。

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