第19話 2024/02/11 飲めない
書くことがまったく何一つなかった訳ではないのだが、とてもPCを立ち上げられる肉体的精神的状態ではなかったので随分久しぶりの更新である。
いま抗ガン剤と放射線の併用治療で出ている副作用としては、吐き気、食欲不振、口内炎、味覚障害に倦怠感、顔の左半分は皮膚が粉を吹いて真っ白になり、首筋からは相変わらず膿が湧き出している。これらだけでも十分にしんどいのだが、最近新顔が加わった。
水が飲めないのだ。水と茶が飲めない。何故か味噌汁やうどんの汁は飲めるのだけれど、水を飲むと気持ちが悪くなるので困っている。薬を飲むときは可能な限り少量の水で飲み、食事中は味噌汁以外の水分を摂らない、というか摂れない。
おそらく体は水分不足を起こしているはずなのだが、それで喉が渇くといったわかりやすい症状が出ているかと言えば出ていないのだ。体の感覚も馬鹿になっているらしい。だが腎臓に負担がかかっていることは想像に難くない。何らかの対応が求められるところだろう。
現在主食がおかゆなので、水を飲まなくても水分多めの食生活はしているものの、とてもとてもそんな程度で水分は足りまい。何か方法はないものか。ゼリー飲料はかろうじて飲めるので、そこで水分を稼げればいいのだけれど、食欲が死ぬほどないために日に何度もゼリー飲料を摂取するという訳にも行かない。
味噌汁が飲めるのなら、味の付いた液体なら飲めるのではないか。そう考えもしたのだが、病院から処方された栄養食は味の付いた液体であり、にもかかわらずいまは飲みたいという気にすらならない。思い出すたび吐き気が強くなる。
それでもポカリとかスポーツドリンクならば、と考えてはいるのだが、なかなか踏ん切りがつかない。五分も歩けばコンビニがあるので、いますぐ買ってくればいいだけなのだけれど。はあ、鉛のような倦怠感は行動力を鈍らせる。
とか何とか言いながら、どうにか重い腰を上げてスーパーにポカリとハチミツとレモンを買いに行ってきた。冷たいポカリか、暖かいハチミツレモンか、どちらかで水分補給ができればいいのだが。ポカリを一口だけ飲んでみた。ちょっと厳しいかも知れない。
昨夜の食事は刺身の盛り合わせだった。含有水分量の多い食事ではあったが、全然足りない。もっと水分を摂らないと。ただエラいもので、舌が味を感じないとワサビの辛さもわからないのだな。魚の味どころかワサビの風味すら感じることができずに愕然としてしまった。
まあそんなこんなで、どんどん悪くなる副作用の現状を報告した。もっとも、これでもかなりマシな方だと医者は言う。もっと酷くなる例はいくらでもあるらしい。ただそれを聞かされたところで体が軽くなる訳ではない。自分のしんどさは何も変わらないのだ。やれやれ。
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