第10話 2023/12/31 年末
さて大晦日、今年はさんざんな一年だった。年に二回もガンの診断を受けるというのは最悪級と言ってもよかろう。良いことが何もなかった訳ではないが、さすがに全部吹っ飛んでしまった。人生の無情さを味わった。来年は少しでもマシな年になってくれることを祈るばかり。
体調は現在そこそこである。抗ガン剤の効果が出ているのだろう、下顎の痛みは随分と治まっている。首の傷から出る膿の量も僅かなものだ。どうせなら綺麗さっぱり治ってくれると嬉しいのだが、まあ現段階でそれは望みすぎか。
来年早々から始まる抗ガン剤と放射線の併用治療には期待と不安がある。都合の良いことだけが起こってくれると有り難いのだが、世の中そうすべてが上手くは行かないからな。嬉しくないことが起こる可能性は否定できない。それでも、せめて死なない程度には効果が上がってほしいところ。生きてさえいれば何とかなるかも知れないからだ。もちろん何ともならない展開になる場合もあり得るのだろうけれど。
いま長編小説のアイデアを暖めているものの、なかなか形になってくれないので毎日ヤキモキしている。どうしても集中できない。当たり前と言えば当たり前ではあるのだが、どうにも小説のことだけを考えるという態勢が取れない。心理的にノイズが多すぎる。自分が死にかけているのに物語の登場人物の生き死にを考えることが滑稽に思えて仕方ない。それでも何とかあと一本は長編を書きたいのだ、とにかく治療が功を奏して欲しいと心底願う。来年こそは病に打ち勝てる一年でありますように。
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