第9話 2023/12/26 納めた納めた

 昨日は三回目の抗ガン剤治療。本年最後の病院、まあ通院納めであるな。いやあ納めた納めた。抗ガン剤の点滴を受けているときに動悸が上がった感じがして、かつ頭が少しぼうっとしているようにも思えたのでそれを看護師に伝えたところ、三十分の抗ガン剤停止とモニターの設置、そして投薬再開後も点滴の速度を落とすことになってしまった。おかげでえらい時間がかかった。


 さらに来年からは違う種類の抗ガン剤と放射線治療を併用するため、年明け早々から二泊三日の入院をしなくてはならない。まあ検査入院のようなものだから深刻さはないが、その入院手続きもしたために、昨日は帰宅が遅くなった。朝七時に家を出て、戻ったのは午後四時過ぎ。クッタクタのヘットヘトである。


 でも来年から始める週一回の抗ガン剤の点滴は毎回五~六時間かかるそうなので、ずっとこのくらいの帰宅時間になりそうだ。それを考えるといまから憂鬱。また抗ガン剤と放射線の併用は白血球や赤血球、血小板などを減少させるため、体力が著しく減退する。そのため六週間の治療期間の後半は入院治療となるかも知れない。これまた憂鬱。まあ手術がないだけ気楽なのだけれど、金がどんどん飛んで行くのは何とも

ツラい。


 しかし起こるのは悪いことばかりではなく、首筋から湧き出ていた膿の量が今朝から減っている。これはおそらく抗ガン剤の効果だろう。もちろん顔のブツブツが増えたりヒゲの伸びる速度が遅くなったりといった副作用も出てはいるものの、その辺は予め想定内だ。ヒゲなんていっそ全部抜け落ちてくれれば楽なのだが。顔にブツブツがあるとヒゲをそるのが大変なのだ。血だらけになるし。


 そんなこんなもあって、昨日は夕食時にフルーツロールケーキをドカ食いした。クリスマスはまったく念頭になかった。とにかく甘い物が腹一杯食べたかったのだ。えらいものだな、夜に甘い物を摂ると翌朝の目覚めのスッキリ感がまるで違う。体が疲れていたこともあるのだろうが、グッスリ眠れてバッチリ目覚めた。できることなら毎日甘い物を摂りたいくらいだ。これで体重さえ増えなければなあ。


 体重といえば前回四月の入院の頃より九キロほど落ちているらしい。これはガンとは関係ない。一日の食事回数を基本三回から二回に減らした影響である。ガンも怖いが肝硬変や糖尿病も怖いからな。そっちの心配もしなくてはならない身としては、まだまだ落とし足りないところだ。もう五キロくらい落とせれば、あとはキープするだけでいいのだろうが。


 さて、ぼちぼち入院の準備でも始めるかね。まだ日数はあるし急ぐ必要はまったくないのだが、もう気分は正月モードに突入しているからな。明日でいいやと後回しにすれば、絶対慌てることになる。ちょっとずつやって行くとしよう。

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