第6話 2023/12/11 抗ガン剤初日
本日は朝一番、午前八時半になる前に病院に行き、まずは口腔外科で診察を受けた後、抗ガン剤治療の一回目に入った。十時前から始めて十四時過ぎに終わった。丸々四時間以上かかった訳だが、割と早く済んだなというのが素直な感想。もう一時間くらいかかるかと覚悟していたのだ。
で、抗ガン剤を投与されて腫瘍はどうなったのかと言えば、どうもなっていないはずだ。当たり前である。いくら抗ガン剤が効きやすい体質だからといって、一回目の投与直後に変化が現れたらその方が怖い。下顎は相変わらず痛いし、毛が抜けたり顔にブツブツができたりといった抗ガン剤の副作用も出ていないのだ。今年中に体感できる変化が現れるかな、といったところだろう。
前回は週一の抗ガン剤を三回一ターン、これを二ターン行ったので合計六回抗ガン剤治療を受けたのだけれど、かなり副作用がキツかった。今回は三ターン、九回あるからな。今後二月半ばまでずっと毎週抗ガン剤である。さすがに憂鬱になる。
別にハゲになるとか爪が伸びなくなるとかはどうでもいいのだが、上半身に赤いブツブツができるのがな。地味に痛いのだ、これが。顔を洗ってもシャワーを浴びてもヒリヒリするし、布団やシーツでこすれてもギャッと声が出そうになるし。クリティカルな攻撃ではないが、普通に生きているだけでヒットポイントが削られる。ほとんど呪いと言っていい。それがこの先、確実に待ち受けている。回避する手段はない。そらため息も出るわ。
副作用が治まるまでには、抗ガン剤治療を終えてから一ヶ月以上時間がかかる。今度はどれくらいかかるだろうか。世の中には抗ガン剤治療を全否定する人たちがいて、彼ら曰く「抗ガン剤は猛毒だ! その証拠に抗ガン剤を扱う看護師はみな抗ガン剤に触れないよう防護服を着ているではないか!」とのことだが、私の通う病院では大半が半袖のポロシャツで作業を行っている。まあその点はともかく、抗ガン剤がガン細胞を殺すための猛毒であること自体は嘘とは言えないだろう。それだけの破壊力がある薬品を体内に流し込んでいるのだ、その影響が消えるまでに時間がかかるのは仕方ない。と、理屈では思えるのだがな。はあ。
ところで抗ガン剤を投与される場合、車の運転を医者から禁じられることはご存知だろうか。別に抗ガン剤の中に酒が入っている訳ではないのだが、まれに酩酊状態になる人がいるらしい。私は過去そうなった経験はないものの、万が一のこともあるので抗ガン剤治療の日は公共交通機関を使って病院に行くことにしている。
ただ公共交通機関といっても、混雑した電車やバスはできることなら遠慮したい。抗ガン剤を投与されると白血球が減少し、免疫力が低下するのだ。実際にそうなるのはまだ先とは言え、いまはインフルエンザが流行しているしな、やはり金はかかるが比較的安全なタクシーにしておくべきか。そう思った私は某有名なスマホアプリでタクシーが呼べるサービスを使ったのだが、タクシーが捕まんねーんだわ、これが!
朝もなかなか捕まらなくて、かなりイライラさせられた。朝の時間帯だからな、とか思っていたりしたのだけれど、帰りの時間はさらに捕まらなかった。とにかく近くにタクシーがいないから、高速料金を追加で支払って遠くからタクシーを呼べと言うばかり。ついに諦めて電車で帰ってきた。すんげー疲れた。やっぱり配車アプリは何種類か併用した方がいいのかも知れない。
今日はこんなところか。抗ガン剤初日は治療以外で疲れた日だった。次の更新はいつになるやら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます