走馬灯

おれさまは死ぬ直前に見ていた


走馬灯ってやつを


おれさまにとって泥魔甲立はかっこいい兄貴だった


だから死んだとき衝撃で山田啓介を攻めた


悪いのは山田啓介なんだと思えばそしたら自分の気持ちは少し楽になるから


だけどあの日おれさまは見た


おれさまは廊下を歩いていた


いつもおれさまはイライラしていた


そのイライラを山田啓介に当たった


だがそれはだめなんだあたってしまっては


そう考えるきっかけになった出来事とは


山田啓介が「ああつれぇな親しかった奴らに攻められんのはでも仕方がねぇよな俺が悪いのは事実なんだからあいつをあの日守れていたならきっと」


おれさまは逃げた


謝ろうとも思っただがおれさまはこのイライラをどこにあたれば良いのか分からないでいた


だから今謝ってもそれは本心からじゃない気がして


本心から謝りたいおれさまは謝ることをしなかった


それにあいつとどんな顔して会えば良いのかもわかんねぇから


田中遥斗に出会って俺様は強いと思った


田中遥斗は自分の気持ちを受け止めた


だが俺様は逃げた


はぁー本当に情けねぇよ


それに今さら泥魔甲立との約束を思い出すなんてな


「頼みがある」


「どうしたんだそんな頼みなんて」


「俺様がいなくなることになったらよお前があいつらを守れるぐらい強くなってくれ」


「はぁーなにいってんだなくなるなんてことがあんのかよ」


泥魔甲立は無言だったがおれさまはなんでかこう答えたんだ


「ああ分かったよあいつらを守れるぐらい強くなってやるよ」


果たすことが出来ない約束を


「そうかありがとう」


おれさまは今も昔も弱いままだ


精神的にも肉体的にも


情けないことこのうえないおれさまがもしも強ければ守ることが出来たかもしれないのに


おれさまを殺してきたやつはおれさまにいった


「命なんてものに縛られているお前が殺すことなんて出来ないよ」


どういう意味かおれさまには分からなかった


「まるで不死身みたいな言い方みたいだな」


「みたいではなく不死身なんだよ」


「はぁーじゃなにかこの世界には能力者でもいるって言いたいのか」


「いやいないよだってこの不死身の体は医療によって手に入れた体だからね」


「そんな医療技術聞いたことがないぞ」


「ああだって世界政府は教えていないからなお前ら市民に」


「市民市民ってうるせぇんだよ」


「一回しか言っていないが」

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