明日に備えて気合を入れる

「明日からバイト、楽しみだね」


 そろそろ料理に慣れてきた隼人が作った夕食を食べながら、香澄が笑った。


 その笑顔に見とれつつも、会話を止めることはしない。


「俺は楽しみっていう感じじゃないんだけどな」

「仕方なくやるよりは楽しんでやった方がいいと思う!」

「まあ、そうだな。香澄がいればたぶん楽しいんじゃない?」


 隼人のコメントに、香澄はさらに笑顔になる。


 なんかお互いいい感じに作用しあっていて、素晴らしいカップルだ。


 問題は、周囲に人がいたら置いてけぼりになってしまうという可能性。店主だけ置いて会話を展開したりしてしまったら笑えない。


 とはいえそのことに二人が気づかなければなんの意味もない。残念なことに、二人はそのままお風呂に入ってそれぞれの部屋で就寝した。

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