適当

「あーうんうん、合格でいいよ。普通に仕事できそうだし。あ、うちの給料日は月末だから今月は半月分だけになるけど」


 個人経営の書店のバイトに応募したら、適当な店主が適当に二人とも採用した。


 それでいいのかと思う反面、隼人にとってはこのくらいの緩さがちょうどいい。なぜなら、隼人は社会不適合者だから。


 香澄はといえば、面倒くさがりの店主に上手いこと話しかけて仲を深めていた。さすがといったところか。


 この書店には店主と隼人と香澄しか勤めていないので、二人がバイトを休む日は店主が忙しくなる。


 しかし、店主はそもそも二人を休日手伝いに来てくれるくらいの存在だと認識しているらしい。


「今週来れる? 土日は平日より人が多いから来てくれると助かるんだけど」

「はい、二人とも来れます」

「そ。ありがと」


 シフトも雑な流れで直近の分だけが組まれ、今日は解散となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る