「方法」

「私もそう思ってはいるんだけど、どうしてもね。本当、ごめん」


 夕食の場で持ち出した議題に、香澄は心から謝罪する。


 香澄いわく、みんな派閥争いには飽きているのだという。それでも終わってくれないのが、外から見てみれば滑稽なものだ。


「香澄一人でどうにかできるわけじゃないことはもちろんわかってる。香澄が悪いわけじゃないってことも」

「そっか、ありがと。一応、今すぐこの戦いを終わらせる方法はあるんだよ」

「そんなのあるのか」


 香澄の言い方にどこか含みが感じられて、でもそれは本当にわずかなもので隼人は気にもかけずに尋ねた。


「私の派閥が、一瞬で愛華の派閥を崩壊させればいいだけ」

「それができたら楽なんだろうけど、そんな方法ある?」

「そうだな、ないことはないよ」

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