　男子サッカーは恭介が無双したおかげで楽々勝利。ついでに、恭介が所属している、愛華の派閥全体の株が男子の中で上昇した。

「遠藤上手すぎ」

　ついでに恭介の評価も高くなり、ちやほやされている。

　そんな状況下、隼人は気まずい空気を感じる。だって敵対派閥だもん。

　隼人がしばらく身を縮めていると、どうやら女子サッカーも終了したらしかった。こちらも隼人のクラスが圧勝。

　無双したのは香澄で、完全に形成が逆転した。なにもしていない愛華の責任を問われ、女子側では香澄派閥の評価が大幅に上昇。

「香澄運動神経良すぎ！」

「愛華とは大違いだね！」

　いやもうなにか、恣意的なものを感じる。

　直視してはいけないなにかのような気がして、隼人はさらっと目を背けた。

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