ばっちばち
翌朝学校に行くと、さっそく愛華の派閥の生徒が隼人に近寄ろうとし、香澄の派閥の生徒が話しかけてそれを止めた。
隼人はそれを遠目に確認し、木原さんに狙われた哀れな人もいるもんだなあと他人事のように心の中で呟く。
「清原くん、おはよう。さっそく木原さんに狙われて、大変だね」
「いや狙われてるの俺じゃなくない?」
「たぶん君だと思うけど」
言われて改めて見てみると、確かに何人かこちらに向かってきているような気もする。
「確かに」
「大人しく木原さんの派閥に入っちゃった方が楽なんじゃない?」
「お前もそっち側だった、忘れてた」
あまりにも自然と話しかけてくるから、恭介が愛華と同じ派閥だということを隼人はすっかり忘れていた。
「入らねえよ、俺は香澄と将来を誓い合った仲だから」
「そうなのかい?」
「いや全然」
適当な冗談は恭介には通じなかった。
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