派閥争い
「愛華、この間香澄がさあ……」
「香澄、この間愛華がさあ……」
女子の間では、早くも香澄と愛華のそれぞれの派閥ができているらしかった。
しかし、派閥に問わず考えることは皆同じ。愚痴大会の対象が愛華か香澄かだけの違い。
「清原くん、君はどっちかの派閥に入るとしたら、住友さんの方だよね?」
「そうだな。遠藤は?」
「住友さんのところに入りたい気持ちはあるけど、木原さんと縁があるからそっちになるだろうね」
恭介と愛華には、一年の時同じクラスだったという以外になにか縁があるみたいだった。
もし男子も派閥分けされることがあれば、隼人と恭介は敵対することになる。
進級早々派閥分けについて考えているクラスで、隼人は少し不穏さを感じた。
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