名前教えて
「清川くん、おはよう」
「いや清原だって」
隼人の隣の席の男がまたしても名前を間違える。
「俺が香澄と付き合ってることへのささやかな仕返し?」
「違う、普通に覚えられなかっただけだよ」
クラス替えしてすぐなので仕方ない。
「で、俺は君の名前知らないんだけど」
「ごめんごめん。僕は、遠藤恭介。一年生の時のクラスは七組だから、木原さんと二年連続同じクラスだ」
木原さん。確か、香澄が言ってたバイトやってる子だったっけ、と思い返す。
そして、香澄がいる場で喋ってほしいと言われていたことを思い出し、少し警戒する。
「木原さんは、どういう人なの?」
「クラスではとても人気だったよ。というか、清原くんは木原さんのこと知らないのかい? 学年でも有名なほうだと思うんだけど」
「俺そういうのには疎いから」
実際は疎いとかじゃなくて人間関係がないだけだ。
「あとは、そうだね。あくまで噂程度の話なんだけど、去年一年で彼氏を四人作ったとか。ただの噂だから脚色されてる可能性もあるんだけど」
もしかして、香澄が木原さんを避けるよう指示したのって……。
隼人はにやけた。
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