僕も好きだったんだけどな
「住友さんのこと、僕も好きだったんだけどな」
隣の席の男がふざけたことを突然カミングアウトする。
香澄のことを好きになってしまうということは全面的に理解できるが、彼氏という立場から見ると香澄が彼に取られるかもと思い隼人は少し不安だ。
というかなんなら無理やり香澄に迫る可能性すらあるのではないかと思って警戒している。
「まあ、彼氏がいるなら望みはないか。僕は降参するしかないわけだ」
なんかちょっと腹立つ語り口ではあるが、言ってること自体はまともで、隼人は先ほどよりも警戒を薄めた。
「俺も香澄のこと好きだったんだけど、しゃあないか」
「お前もかよ」
いや知ってはいたけど。
岳は隼人と香澄が付き合い始めたことを知ると、とても落ち込んでいた。
「フラれた時点でチャンスないのはわかってたけど、徹底的に潰された気分だ」
「香澄は相坂のことなんて気にかけてないけどな」
当の香澄と、ついでに日向は今日は他の友達と昼食。
「相坂くんも、住友さんのことが好きなんだね」
そこで姿を現す隣の席の男。
隼人は命の危機を感じた。
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