告白
「なあ、香澄」
「なに、隼人くん」
隼人が緊張した空気を発して、香澄もそれに合わせて姿勢を正す。
「俺、まだ香澄のことが好きだ」
回転寿司で伝えるには重要すぎる内容に、世界の時間が止まる。
香澄がどういう顔をしているのか、隼人は気になったが、怖くて顔を上げられない。
香澄からの返答には、長い時間を要した。
「隼人くん」
優しく隼人の名前を呼ぶ。
香澄に名前を呼ばれて、隼人は肩を揺らした。
「私も、隼人くんのことが好き」
言葉にすると、なんだか不思議に心臓がゆれる。
とく、とく。
最初、隼人は呆然として言葉を発せなかった。
「隼人くん」
彼女が名前を呼ぶのをやめない。
「はやとくん」
名前を呼んでくれるだけで、隼人もむねがときめく。
「かすみ」
ゆうきをふり絞って、名前をよぶ。
しあわせで満ちあふれて、ふしぎと時間がゆっくりながれるのがわかる。
どちらがやめるでもなく、ただふたりはたがいにみつめあう。
ふたりにとっては、いまはそれがいちばんしあわせだった。
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