映画

 実のところ、隼人はこの映画をいつか見たいと思っていたので楽しみではあった。


 内容は、余命わずかな少女と出会った少年が彼女と恋をし、そして喪ったあとのことを描いたもの。カップルで見るにはちょうどいい。


 少年が少女のいない世界を生きていく決意をして映画は終わり、感動の余韻のままに主題歌が流れる座席に座り続ける。


「よかったね」

「うん」


 映画の余韻が強かったからか、二人は詳しいことを話さない。


「じゃあ、お昼行こうか」


 二人はエンディングが終わるのを見届けて席を立つ。


 どちらが意見を言うまでもなく自然に移動した結果、二人は回転寿司に漂着。


「この間食べたばっかりだけど、どうする?」

「私はどっちでもいいよ」

「じゃあここにするか」


 ごく自然な流れで回転寿司に入った。

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