映画デート

デート

「おはよ、隼人くん」

「朝っぱらから出かけるのかよ……」

「ごめんね、嫌だった?」

「そういうわけじゃないけど」


 隼人は、香澄に遊びに誘われて映画館までやってきていた。


「にしても、なんで映画? せっかく遊ぶのなら映画より向いてるところありそうだけど」

「いやあ、初デートといえば映画かなって」


 香澄の口から衝撃の発言が飛び出し、隼人は目を剥いた。


「初デートではないでしょ、他にも割と遊びに行ってるし。記憶力大丈夫?」


 隼人が煽りとかではなく本気で香澄の記憶力を心配する。


「まあいいの! どうせすぐ毎日顔合わせる生活に戻るんだから、今そんなに顔を見なくても」

「それはそうだけど……」


 どうも釈然としない。しかし、これ以上抵抗しても映画が始まってしまうらしいので、隼人はひとまず映画館に入ることにした。

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