会いたい

「じゃあそろそろ解散にしますか」


 代金を払い終わり、店舗の前で四人顔を突き合わせる。


 そんな中で日向が解散を提案した。


 日も完全に暮れていて、これ以上やることも思いつかず、解散するにはちょうどいい頃合いだ。


「そうだな。次どうする? 春休み中にまた遊ぶ?」

「それはまた後で考えようよ。今日はもう疲れたから」


 香澄の提案が全会一致で可決。四人はその場で解散ということになった。


「あ、隼人くん一瞬だけ時間ちょうだい」


 呼び寄せられた隼人は香澄に歩み寄る。


「なに?」


 隼人が尋ねると、香澄は隼人の耳元に口を寄せる。


「春休み中、ふたりだけで会おうよ」


 吐息交じりの小声で告げられた事実に、隼人は対応できない。


「予定空いてるかな……」

「いや、私隼人くんの予定知ってるけど、春休みの予定ゼロでしょ」

「なんで知ってるんだ……」

「隼人くんと会いたいって思ってるから」

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