寿司、美味い

「美味い」


 回転寿司の寿司。


 毎日食べたいと思うほどではないが、月一くらいの頻度で食べると感動するような味をしている。


「寿司も美味いけどやっぱり一番美味いのは茶碗蒸しだろ」


 岳は回転寿司に来てまで茶碗蒸しを食べる。


 日向はサーモンを食べながらその様子を呆れたように見つめる。


 香澄は、多種多様な寿司を食べる隼人の様子を眺めつつ、時折自分も寿司を口にする。


 四人それぞれ回転寿司を満喫していた。


「そういえば岳、香澄に告白したんだって?」


 日向が突然切り出す。


 三人も大事な話の気配を感じ取り、姿勢を正す。


「なんで日向が知ってるんだよ」

「実際に見た人が教えてくれた」


 隼人が教えた記憶はないので、他の誰かがもう一人あの場面を見ていたということになる。


 しかしそれよりも、今目の前で起きている絶妙な修羅場の気配に隼人は思考を研ぎ澄ませた。

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