出会いの記憶

「えっと、香澄とはいつ出会ったって言ってたっけ」

「その話、聞く?」

「うん、気になる」


 苦し紛れに日向が繰り出した会話がたまたま隼人に刺さり、なんとか会話を始めることに成功。


「あれはクリスマス直前くらいだったかな……。俯きながら街中を歩いてたら、ぶつかったんだよね。それで顔を上げたら、うちの制服着てて。だから同じ高校って呟いたら、香澄が反応してくれた」

「そうなんだ。二人が出会ったのは偶然だったんだね」


 隼人がうなずく。


「香澄が俺のつぶやきを拾ってくれなかったら、俺は今ここにはいないだろうな。その点では感謝ばかりだ」

「隼人は今楽しいんだよね?」

「ああ、三人のおかげで」


 日向が確認を取るのに、隼人はまたもや頷いた。

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