こーひーかっぷ

「やっと回ってきたね」


 四人で雑談して暇を潰していると、一時間に及ぶ長い待ち時間の末にようやく番が回ってきた。


「せっかくここまで並んだんだし、めっちゃ回す?」

「いいじゃん超回そう。これまでにないくらい回そう」


 岳と日向はやる気満々で回しまくることを提案する。


 香澄は、コーヒーカップを提案したのは自分だからとその提案に乗った。


「隼人はどうする?」


 隼人は実のところコーヒーカップで酔ってしまうタイプだが、ここで断ると他のメンバーに迷惑をかけてしまいそうだ。


 ここで断ることよりも回しすぎて酔うの方が迷惑をかけるのだが、隼人はそれに気づかず賛成した。


「じゃあみんな座ろ」

「席順どうする?」

「あー、今並んでる順でいいんじゃない?」


 香澄、隼人、岳、日向の順で円環を描くように着席し、遊園地の係員の指示を待つ。

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