やっぱり香澄

 無事、遊園地に着いた。


 隼人は全然どこに行けばいいかわかってなかったし、他の二人も同じようなことを言っていたので、香澄がいなければたどり着けていなかっただろう。


「じゃあとりあえず入ろうか」

「そうだね。入ったらなに乗る?」

「みんなジェットコースターとか乗れる?」


 岳がジェットコースターに乗る気満々で他三人に問いかける。


 隼人と日向はその問いかけに頷いた。


 しかし、香澄は申し訳なさげに目を逸らす。


「その……ごめん、私ジェットコースターとかは苦手なんだよね」


 恥ずかしげな香澄のその様子に、その場の三人は心を撃ち抜かれる。


「いやまあ無理にとは言えないよな……」

「みんな楽しい方がいいからね。香澄が楽しくないみたいなのは避けたいし」


 岳と日向がフォローする。


 隼人はなにか言うわけではなかったが、深くうなずいて同意。


 香澄は深く感謝したが、三人はそれどころではなく、香澄の可愛さを喋ることなく共有していた。

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