合流から解散へ
「隼人くん、待っててくれたんだ」
隼人が自分の教室で香澄を待っていると、しばらく待ったのちに香澄が姿を現した。
「ごめん、用事があって遅れちゃって」
「大丈夫。それで、これから直接実家?」
「うん」
香澄の姿を確認して、告白されていた件に触れようかとも思ったが、そこに触れるのも気まずいような気がしてやめる。
代わりに、名残惜しいがいったん別れを切り出す。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「そうだね。次は春休み明けに学校であったらそのまま隼人くんの家に帰る予定だから、よろしく」
「ああ、いつでも待ってるからな」
隼人が告げると、香澄はその喜びをありったけに表す。
隼人と香澄はそれからしばらく、生徒たちがほとんど帰った後の学校を並んで歩きながら話した。
並んで歩くうちに、やがて香澄の実家と隼人の家の分かれ道へ差し掛かる。
「それじゃあ、また春休み明けに」
別れを告げる香澄の顔が、若干暗いように見えた。
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