恥ずかしいかも……
「じゃあ隼人は今も香澄のことが好きなんだな」
岳が当然のことを確認するかのように隼人に問うた。
当の隼人は、顔を真っ赤にして岳から目を逸らす。
「好きなんだよな?」
岳が念押しすると、隼人は力なく頷いた。
「乙女かよ」
岳はいつも通りに笑って突っ込む。
どうやら隼人とのかかわり方はこれまでと変えるつもりはないらしかった。
「ま、そうだとしても俺は容赦しないから」
「え?」
容赦ってどういうこと、という疑問が隼人の心の中で反芻するが、それを尋ねようとしたころには岳はいなくなっていた。
ひどく一方的な展開に隼人は度肝を抜かれたが、ずっと立ち尽くしているわけにもいかず隼人は下駄箱を目指し歩く。
下校ピークの時間を過ぎた廊下には人っ子一人おらず、少し寂しい雰囲気を背負って隼人は校舎を出た。
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