同棲がバレそうです

「えっと、ドリア一つ」


 香澄が家計に配慮してドリア(三百円)を注文する。


「じゃあ俺も、ドリア一つ」


 隼人も香澄に追従。


「俺もドリア」

「わたしもドリア」


 場の流れから、岳と日向もドリアをそれぞれ一つずつ注文する。


「そういえば朝来たときから疑問だったんだけどさ」


 岳が口を開く。


「なんで香澄と隼人が一緒にいたんだ?」

「「!?」」


 冷静になって考えてみれば、隼人とはクラスが違い、体育の授業も違う香澄が、隼人にバドミントンを教える特別な理由がない。


「えっと、その、私……」


 痛いところを突かれて、香澄が狼狽える。


「俺の友達、香澄しかいないから」


 隼人が助け船を出すと、岳と日向は納得したようにうなずいた。


「確かに」

「隼人友達少ないからな」


 香澄は内心隼人に感謝し、隼人は内心岳と日向の攻撃に大ダメージを受けていた。

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