マシになりました

「そろそろ昼になるし、今日はこの辺にしといた方がいいんじゃない?」


 日向の言葉を受けて、一同時計を確認する。


「そうだね。せっかく近くにお店あるし、一緒にお昼食べない?」


 香澄は四人でお昼にすることを提案した。


 公園を出るとすぐそばに駅前の都会が広がっているので、昼食を食べられる店もその周辺にたくさんある。


「俺はそれでいいよ」

「わたしも」


 岳と日向はすぐにそれに同意し、全員の視線が隼人へ向けられる。


「俺もいいよ」


 休日にみんなでご飯を食べるとかまるで陽キャだな、と心のなかで思いつつうなずく。


「どこで食べる?」


 岳が三人に尋ねる。


 日向が少し前にその店で行われた所業が大炎上した回転寿司店の名前を答える一方、隼人と香澄は安価なイタリアンレストランの名前を出す。


 隼人と香澄は家計節約の観点からこの辺りで最も安い店の名前を出した。


「相坂くんは?」

「じゃあ俺もイタリアンがいいかも」

「わたしもそれでいいや」


 日向が譲ってくれたことで話し合いが喧嘩に発展することはなく、無事に目的地が一致した。

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