うぇ!?

「そういえば、相坂って何部なの?」


 日向がバドミントン部であることは先程聞いたが、岳が何部に所属しているのかは知らない。


「俺はテニス部。あと、相坂っていうの堅苦しいから岳って呼んでくれよ」


 まだ出会って二日目なのに、名前で呼ばせようとする。


 香澄と初めて会ったときも感じたが、距離を詰めるのがとんでもなく早い。


「え、まあ、いいけど――」

「駄目。隼人くんが名前で呼ぶのは私だけだから!」

「うぇ!?」


 香澄がメンヘラみたいなことを言い出して隼人は驚きまくった。


 隼人と香澄が付き合っているならまだ理解できるが、一緒に住んでいるだけで別に付き合っているわけではない。


 それに、香澄が妙なことをすると隼人と香澄の関係性が疑われてしまう。


 隼人はそれらを心配した。


 しかし実際は日向も岳も香澄を追求することはせず、顔を見合わせて笑うだけだった。


「ああもうぐっちゃぐちゃだよ……バドミントンどうする?」

「よし、仕切り直してわたしが清原くんにバドミントンを教えよう!」


 意外なことと急なことばかりで、隼人は混乱する。


 結局隼人が一番気になるのは、岳のことをどう呼ぶべきかだった。

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