清原、雑魚いね

 五戦一勝。それが隼人と岳の戦績だった。


 最初の三戦は隼人がひたすら足を引っ張り続け、三連敗。


 一度隼人が邪魔だからとコートの外から眺めていると、岳がぎりぎり勝利。


 最後の試合だし一緒にやろうと岳が隼人を誘い、隼人が参加すると、敗北。


「清原、バドミントン下手だね」

「返す言葉もない」


 なにが面白かったのか、岳は可笑しげに笑う。


「まあいいや、楽しかったし」


 隼人は全然楽しくなかった。陽キャの感覚のわからなさを実感する。


「次の授業もバドミントンらしいから、ちょっとくらいは練習しとけよ」

「善処します」


 隼人は少し申し訳なく、さすがに練習しようと決意した。

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