寂しくない食事

「清原くんのお粥、美味しい!」

「ありがと」


 隼人と香澄が、ベッドに並んで座ってお粥を食べる。


 香澄にお粥を褒められた隼人は、お世辞が含まれているということがわかっていても嬉しかった。


 実際のところ、香澄は隼人のお粥のことを美味しいと思っているので、お世辞が含まれているというのはただの隼人の早とちりだが。


「で、美味しい以外に喋ることなくね?」

「……うん」

「世間話、する?」


 振り返ると、隼人や香澄は共通の話題があまりないことに気づく。


「まあ、話しなくても一緒にいるだけで前までよりは寂しくないし」

「それでいいんだ」

「私はね」


 にこっと香澄が笑い、隼人は見惚れてしまった。

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